橘舞/ミスFLASH2023

 節分の日に今年の恵方を向いて食べる巻き寿司「恵方巻」。

 全国的に認知されている習わしだが、浸透したのは意外と最近ってご存知だろうか?恵方巻の起源とルールを学んで、今年の福を呼び込もう!

 すっかり節分の定番になった「恵方巻」だが、意外とその歴史について語れる人は少ない。そこで、和文化研究家で「All About 暮らしの歳時記」でガイドを務める三浦康子さんに徹底解説してもらった。

■大人なら知っておきたい!恵方巻の掟四カ条

(1)恵方を向いて食べるべし

 恵方は毎年変わる。「お正月にいらっしゃる神様として有名な年神様(としがみさま)=歳徳神(としとくじん)は移動されるのです。その歳徳神のいらっしゃる方角に向かって事をおこなえば万事に吉とされています」(三浦さん、以下同)(法則性については本文後半に別途記載)

(2)切らずに食べるべし

 太巻は太くて長くて具材もたっぷり入っていて、1本丸ごと食べるのは至難の業だ。だが、けっして切ってはいけない。「太巻には福を巻き込んでいるので、カットしてしまうとこれから呼ぼうとしている福や縁が途切れてしまう、という解釈になります」

(3)しゃべらずに食べるべし

 スマホ片手に誰かと話をしながら食べるなんてもってのほか。1932年、大阪鮓商組合が作ったチラシ(P.46)に「無言で一本の巻き寿司を丸かぶりすればその年は幸運に恵まれるということであります」と書かれている。そのため「食べ終わるまで口をきいてはいけません」

(4)目をつむって食べるべし

「神様に願い事をするとき、自然と目をつむりますよね。ですので、つむっていただきましょう。近年、『笑う門には福来る』で、笑って食べるといいという人もいます。ただ、食べながら笑うのは難しいので、最初にニコッとしてから口に入れるといいでしょう」

■恵方巻トリビア(1)

<恵方巻の具材にはそれぞれ意味があるんです>

「一般的な太巻のことを節分の時期に恵方巻と言っているだけ」(三浦さん)だが、昔は立春が新年の始まりを表わしていたため、節分の太巻の具材にも意味が生まれた。後づけという説もあるが、知っておこう

◎具材/意味

かんぴょう/細くて長いので「長寿祈願」「縁結び」

しいたけ煮/かさの形が陣笠に似ているので「身を守る」

卵焼き・伊達巻/黄金色で「金運上昇」、伊達巻は巻物に似ているので「知識向上」

うなぎ/うなぎ上りに通じて「上昇・出世」

桜でんぶ/鯛などの白身魚をほぐしており、春を象徴する桜色で「めでたい」

きゅうり/きゅうりの名から「九の利を得る」

海老/腰が曲がるまで「長生き」

■恵方巻トリビア(2)

<「恵方」ってどうやって決まるか知っていますか?>

 恵方は「東北東」(甲の方角⇒東北東微東/75度)、「西南西」(庚の方角⇒西南西微西/255度)、「南南東」(丙の方角⇒南南東微南/165度)、「北北西」(壬の方角⇒北北西微北/345度)の四方のみ。その四方と暦を構成する十干(じっかん)を組み合わせることで、その年の恵方が決まる

西暦の下一桁/恵方

0・5/西南西(正しくは西南西微西)

1・3・6・8/南南東(正しくは南南東微南)

2・7/北北西(正しくは北北西微北)

4・9/東北東(正しくは東北東微東)

「十干は10の周期でまわるので、西暦の下一桁によって恵方を知ることもできます」(三浦さん)

モデル・橘舞(たちばなまい)
1995年4月15日生まれ 昨年7月にミスヤングアニマル2022の審査員特別賞を受賞。今年ミスFLASH2023に選ばれた。「恵方巻は物心ついたときから食べています! 今回撮影で恵方巻をたくさん食べられて幸せでした!」

写真・岩松喜平