「酪王コーヒー」40年の歴史に幕、原料高騰などで終売 「カフェオレ」有名も...メーカー「プロモーション足りず」
酪王協同乳業(福島県本宮市)は2023年1月18日、約40年にわたって販売を続けた「酪王コーヒー」を終売すると、公式ツイッターで発表した。同社の「酪王カフェオレ」は福島県のソウルドリンクとして親しまれ、全国的にも知名度が広がりつつあるが、酪王コーヒーについては知らなかったと驚く声があがっている。
J-CASTニュースの取材に対し、酪王協同乳業は2023年1月20日、プロモーションが不足していたのではないかと振り返る。
「福島の母すら見たことない」
酪王協同乳業の説明によると、酪王コーヒーは「手軽に買えるコーヒー乳飲料」として、1983年に発売した。コクのある生乳と香り高いコーヒーをブレンドした、口当たりのよいコーヒー乳飲料とうたい、福島県内の量販店で取り扱われている。希望小売価格は1リットル190円だ。
2023年1月27日の製造分で販売を終了する。福島県内の一部量販店で2月上旬まで購入できる見込みだ。
酪王協同乳業のコーヒー乳飲料と言えば、「酪王カフェオレ」が知られている。一方で酪王コーヒーについては「福島の母すら見たことない」という声も寄せられている。ツイッターで終売が告知されると商品を知らなかったと驚く声があがった。
「酪王にコーヒーがあること初知り......」
「見た事ないやつ。飲んでみたい」
「酪王コーヒーって商品が有ったの!?」
こうした声を、酪王協同乳業は次のように受け止めていることを取材に明かす。
「おかげさまで近年『酪王カフェオレ』をメディアに取り上げて頂く機会が増え、弊社でも看板商品として酪王カフェオレに力を入れて 販売しておりました。一方で『酪王コーヒー』は令和3年10月にデザイン変更をしましたが、その際のプロモーションが足りず、お客様の認知度が薄れてしまったのではないかと受け止めております」
商品コンセプトを守ることが困難に
公式ツイッターによれば、「酪王コーヒーが一番好きです」という声も寄せられていたという。
酪王協同乳業は、終売について社内でも惜しむ声があったほか、長年愛用していた客からも「継続してほしい」という声が寄せられていると明かす。
終売の理由については、こう明かす。
「酪王コーヒーは、手軽に買えるコーヒー乳飲料という位置付で発売以来、低価格での販売に努めておりましたが、昨今の乳価値上げや、原材料価格の高騰などにより、企業努力だけでは商品コンセプトである低価格での販売が難しい状況となり、やむを得ず終売を決断致しました」
今後は、酪王カフェオレシリーズなどの商品をさらに多くの人々に認知してもらえるよう、SNSを通して発信したいと意気込んだ。