「彼女の“この恋愛経験”だけは許せない…」男が交際を断念した、女の秘密とは
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか？
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「あんなにデートしていたのに…いつの間にかセカンドに成り下がっていた理由は？」という質問。さて、その答えとは？
1月の東京は、どうしてこうも寒いのだろうか。ビルの隙間から無情に流れてくる冷たい風に、僕は思わず首をすくめる。
そして待ち合わせ場所のカフェの扉を、重い気持ちで開いた。
― 今日こそ、ちゃんと言わないと。
ここ数ヶ月、ずっとデートを繰り返してきたまりか。付き合えるものなら付き合いたかったし、本気で好きだと思っていた。
でもあることがキッカケで、僕は彼女を本命候補から外した。
「まりかごめん。彼女ができたら…これ以上、こういう関係は続けられない」
目の前で、まりかが泣きそうになっている。これだけ親しくしてきたから申し訳ないとは思っている。
でも僕は、他の女性と付き合う決心をした。
A1：過去に不倫をしていたこと。
まりかと出会ったのは、1年以上も前のことだ。最初はただの友達関係だったけれど、密かに僕はいいなと思っていた。
でも年下に興味のなさそうなまりかに、僕は何もできずにいた。
しかし何度か会ううちに距離が近くなっていき、僕は頑張ってアプローチを開始する。
「まりかさん、明日デートしませんか？」
「ごめん。明日は無理なの…」
「じゃあ明後日はどうですか？」
最初、まりかは僕の言っていることが冗談だと思っていたらしい。
「まりかさん、今彼氏いないんですか？」
「いないよ」
「じゃあ僕、立候補してもいいですか？」
「またまたそんなこと言って（笑）」
相手にされていないのはわかっていたけれど、頑張りたかった。まりかは33歳で、僕は28歳。5歳も年下は眼中になかったのかもしれない。
でも何度もデートを重ねるうちに、まりかの気持ちが動いているのがわかった。
― もうひとおし頑張れば、いけるかも。
そう思っていた。でも僕の中で、一気にまりかに対する思いが冷めてしまう出来事があった。
あれは12月初旬の、イルミネーションが灯り始めた六本木のけやき坂を歩いていた時のことだった。
いつの間にか、僕たちの間に敬語は無くなっていた。
「まりかって、今までどういう恋愛をしてきたの？」
「どうしたの突然」
「いや、どういう人がタイプなのかなと思って…」
純粋に、好きな女性の好みのタイプは知りたいものだ。だから僕は特に何も考えずに、質問したつもりだった。
「そうだな〜大人な男性かな。今は違うけど」
「『今は』って…？」
「昔は年上の人のほうが好きだったってこと。でも今は年下も好きだよ」
「そっかー…。まりかは大人の男性が好きなのか」
「だから、今は違うからね」
この時まで、僕はかなり楽しかった。完全に好き同士だと思えたし、この会話をイチャついた雰囲気でするのは幸せだったのだ。
「年上って、何歳だったの？」
「私の10歳上だから、当時40歳くらいかな」
― うわ。ガチで年上だ。
「え…おじさんじゃん。なんで結婚しなかったの？」
まりかの年齢を考えると、意外に年上でもないのかもしれない。そんなことを思っていた時のことだった。
でも次の一言で、僕は急激に現実に引き戻された。
「その人は結婚していたから、できなかったの」
僕の中でこの言葉を聞いた途端に、一気にまりかに対する思いが崩壊した。
― 不倫していた人とか、絶対に嫌なんだけど。
過去のことだから仕方ないのかもしれない。でも僕はどうしても“気持ち悪い”と思ってしまったし、そういう経験がある人は繰り返すという。
別に友達だったら気にしないけれど、今後自分が真剣に交際する相手となると、話は変わってくる。
過去に囚われる必要はないのかもしれない。でも僕は、どうしても無理になってしまった。
「マジか。それは大人な恋愛だね」
「大和は？どういう子がタイプなの？」
「自立していて尊敬できる人かな。年齢は…年上のほうが好き」
そのあと適当な会話をして流したけれど、僕の中で衝撃は大きかった。
A2：人として、友人としては好きだったから。
しかし僕は一つだけ後悔していることがある。まりかと関係を持ってしまったことだ。
正直、お酒が入っていて想定外の出来事だった。でも事実は事実。
ただこれで関係性が変わったわけではない。本命の彼女としては、先日の発言のせいで見られなくなってしまったけれど、人間が嫌いになったわけではない。
まりかのことは元々好きだったし、人として尊敬している。一緒にいて楽しい。ただ付き合えないとわかった途端、僕の中で完全に“仲の良い友人ポジション”になってしまった。
でももちろん、まりかの思いは違ったらしい。
『PEZ』での食事中、まりかからの質問に僕はどう答えるべきか迷ってしまった。
「大和ってさ、今好きな人いるの？」
「うーん。まりかのことは好きだよ。でも今は彼女とかはいいかなって…」
そう答えることしかできなかった。
人としては大好きだけれども、過去の経験がどうにも僕の脳裏をかすめてしまう。僕が潔癖すぎるのかもしれないけれど、無理なものは無理だ。
「そっか…そうだよね」
明らかに落ち込んでいるまりかを見て、胸が痛む。これ以上彼女に期待を持たせて傷つけないためにも「他の子を探したほうがいいのでは…」と思い始めた。
結果として、この後の食事会で素敵な女性に出会うことができた。年齢は僕と同じ年で、仕事も頑張っている。
二人の向かう方向が同じで、価値観も一緒。だから僕は彼女と交際することにした。
仮にまりかの過去がクリーンだったら、結果は違ったかもしれない。
でも世の中に「if」はありえない。
だから僕は、今目の前にいる彼女を大切にしたくて、他の女性と二人で会うのは嫌がる彼女のために、まりかとこれ以上は会わないと決意した。
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婚約までしたのに…破棄された理由は？
