「女性は駐車が苦手」という通説はホント?

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ドライブやちょっとした遠出に大活躍する車。近年、タレントの中川翔子さんや藤田ニコルさんがメルセデス・ベンツを購入するなど、車好きな女性も増えてきています。

そんな中で気になるのは、「女性は駐車が苦手」という通説です。

実際の能力に男女差があるかはさておき、そもそも「車の運転が苦手」と感じる女性は多いようです。

ネット上でも、女性から「苦手というか怖い! 急に誰か飛び出してきたらどうしようって思うと怖すぎて運転したくない」「自分から率先して運転は絶対しないし、基本的に公共交通機関を使うようにしてる」といった声が上がっています。

これには「運転距離」や「車の知識」が不足していることが関係しているようで、男性にも当てはまります。“慣れ”が足りないために恐怖心から判断能力が低下し、結果として運転が苦手になるのかもしれません。

しかし、特にネット上で目立ったのは「真っ直ぐ走ったり右折左折はなんとかできるものの、駐車が壊滅的に苦手」といった女性ドライバーの声でした。

どんなことに苦労している?女性ドライバーの声を集めてみた

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多くの女性が苦手と言う駐車。実際に、駐車にまつわるエピソードを女性ドライバーに聞いてみました。

特にバック駐車に関するエピソードが多く、

「バック駐車のとき、車止めブロックがないとどこまでバックしていいのかわからなくて、わざわざ降りて確認します。駐車できても、斜めに停めることなんてしょっちゅうです」

「お店やスーパーの駐車場は切り返しなどがとても大変なので、時間がかかります。後ろの人を待たせてしまっていると焦ってしまい、なかなか駐車できないことがよくありました」

といった意見が。話してくれた女性は縦列駐車も苦手で、わざわざ駐車場はそういう場所がないところを選んで停めているそう。これに似たエピソードでも、

「神経を注いで運転している時に、助手席であれこれ言われるとパニックになります。特に駐車が苦手だから集中したいのに、横からぐちぐち言わないでそっとしといてほしい」

など、助手席に誰かいると逆にパニックになるというお話も。よかれと思ってのアドバイスが逆効果になるのは、運転操作でも例外ではないようです。

では、「女性は駐車が下手」という通説はいったい何を根拠にした話なのでしょうか。

運転技術ではなく「空間認知能力」が関係している?

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女性の方が時間がかかった理由について、一般的に言われているのが「空間認知能力」の性差です。空間認知能力とは、「目の前にまっすぐ見えている状態から離れ、それぞれの物体がある“場所・向き・大きさ・姿勢・形・速さ”などの位置関係を素早く正確に認知する力」のことです。

ドイツの大学による研究で、「女性は男性よりも“空間認知能力”が低い」という話があります。同研究では男性と女性に「前進」「バック」「縦列」の条件で車を駐車させて、タイムを比較。結果的に男性に比べて女性のタイムが平均20秒ほど長かったと言います。

よく「男性脳」「女性脳」という言い方をしますが、男女それぞれで得意分野は異なるということ。一般的に女性は空間認知を苦手とするため、結果的に「駐車が苦手・苦手と感じている女性」の割合が多いということなのかもしれません。

ちなみに「空間認知」は“鍛えれば身につく”と言われています。前述の“慣れ”問題と合わせて、普段から運転を行っていれば克服できるかもしれませんね。

苦手な駐車を克服するためには?

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駐車を苦手とする女性ドライバーの皆さんに日ごろの対策を聞いてみたところ、「毎日少しでも運転するようにしている」という回答が。

まずは回数をこなして慣れるように努力しているとのことでした。また、通ったことのない道はマップで予習する人も。事前に車線変更や一方通行などを把握しておくために、予習は欠かさないそうです。

車の運転は技術よりも慣れと言いますから、男女問わず、苦手意識を持たずに毎日車を運転することが克服への近道かもしれませんね。