DeNA・三浦大輔監督【写真:町田利衣】

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村上宗隆に5打数5安打、新助っ人キブレハンに3発食らう…

■ヤクルト 16ー4 DeNA(27日・横浜)

 なぜ、これほどの惨敗となってしまったのか──。セ・リーグ2位のDeNAは27日、本拠地・横浜スタジアムで首位ヤクルトに4-16で敗れた。6投手が7本塁打を含む23安打を浴び、今季最大17.5ゲームから一時は4ゲームまで縮めていた差も、6ゲームへと再び突き放された。

 全体的に見れば、前日に2本塁打を喫し最も警戒していた村上宗隆内野手に、この日も48号ソロを含め5打数5安打4打点となすすべなく打ちまくられたこと、今季途中加入し、DeNA戦は初出場のパトリック・キブレハン外野手に1号、2号、3号と1試合3本塁打を許したことがとりわけ痛恨だった。

 6投手の継投も、誤算が誤算を呼んだ。先発の石田健大投手が、わずか3回でマウンドを降りたことがケチの付き始め。1、2回は走者を背負いながら無失点でしのいでいたが、1点リードで迎えた3回、キブレハンに同点ソロ、内山壮に勝ち越し2点適時打を許した。三浦大輔監督は「アウトを取るのに苦労していて、球数(72球)も多かった。3点を取られたこともあり、何かを変えなけれなならないというところで交代させました」と説明したが、先発の早期降板はリリーフ陣に負担となって重くのしかかる。

 2番手で4回に登場したのは、来日初登板となる新外国人右腕のロバート・ガゼルマン投手。先頭の塩見の遊撃内野安打と、続くキブレハンに三遊間を破られた左前打は、いずれも決していい当たりではなかったが、走者をためたところで、村上に右前適時打、サンタナに左中間へ3ランを被弾。この2本はチェンジアップが高めに浮いたところをとらえられた。

快進撃を自信に「やってきたことがなくなるわけではない」

 三浦監督は「ゴロを打たせるのがガゼルマンの持ち味だと思うが、不運な“コースヒット”で走者をため、球が浮いてホームランされましたね」と指摘した上で、「初登板としては難しい場面でいってもらった。まだまだ見たいですし、次に期待します」と、1回4失点の結果にも同情を寄せた。新顔の好投で試合の流れを変えようとしたもくろみは、あえなく外れたのだった。

 こうなると、その後の継投はますますつらくなる。5、6回を担った中川虎大投手、7回の宮國椋丞投手、8回の坂本裕哉投手の3人はいずれも3連投目で、疲労の色が濃い。中川は2失点。宮國に至っては1イニングで3本塁打を含む7安打を浴び5失点。坂本は今月に入って先発から中継ぎに配転されたばかりで、キブレハンと村上にソロを浴び2点を失ったのも、責められる状況ではなかった。「想定外のところでいってもらった部分もある。3連投もわかっていましたけれど、行ってもらうしかなかった」と三浦監督を打ち明ける。

 9回は平田真吾投手がなんとか無失点でしのいだが、勝利の方程式を担う山崎康晃投手、伊勢大夢投手、エドウィン・エスコバー投手、最近好調の入江大生投手を投入するタイミングをつかめないまま、この日の継投は大きな破綻をきたした。

 とはいえ、三浦監督が「これまでやってきたことが、なくなってしまうわけではない。終わったことは変えられないので、切り替えることが一番大事」と話した通り、DeNA投手陣は昨季リーグワーストの4.15だったチーム防御率を、今季は27日現在3位の3.47に改善し健闘している。昨季の最下位から2位躍進を遂げている流れを断たないためにも、首位との直接対決で食らった衝撃を早急に払拭することが大事になる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)