大阪桐蔭のプロ注目・松尾汐恩(左)と海老根優大【写真:荒川祐史】

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聖望学園戦での25安打は春夏通じて大阪桐蔭の甲子園最多、19得点は最多タイ

 攻守にわたり敗者も感服するほどの圧倒的総合力だった。14日に阪神甲子園球場で行われた第104回全国高校野球選手権大会。第3試合では今春の選抜覇者・大阪桐蔭が聖望学園(埼玉)に19-0で圧勝した。25安打は春夏を通じて甲子園での同校史上最多、19得点は最多タイの猛攻だった。

 西谷浩一監督は「大量得点を取ったというよりも、9イニングのうち8イニングでしっかりと得点を重ねられた」と振り返った。初回2死三塁で4番・丸山一喜内野手(3年)の右越え適時三塁打で先制し、5番・海老根優大外野手(3年)の左前適時打で追加点をあげた。以降、7回を除く全てのイニングで得点を重ねていく。

 4回には無死一、三塁からプロ注目スラッガーの3番・松尾汐恩捕手(3年)の左前適時打を含む3者連続タイムリーなどで5得点。松尾は8、9回に2打席連続アーチ。甲子園通算本塁打を5本とした。先発全員安打の猛打もさることながら、8四球を選んだ選球眼も光った。

打撃投手の前に置かれる防球ネットの下部分を狙い“強く低い打球”を意識

 数年前から日本球界では、メジャーリーグにならった「フライボール革命」が起き、野手の頭上を越えるヒットを打てる選手がスポットライトを浴びることが多くなった。大阪桐蔭OBの強打者たちの活躍も目立つ。8月12日に史上14人目の450号本塁打を達成した中村剛也内野手(西武)や、中田翔内野手(巨人)、浅村栄斗内野手(楽天)、森友哉捕手(西武)ら球界を代表するスラッガーがずらりと並ぶ。

 しかし、今の大阪桐蔭が取り組んでいる打撃練習は意外なものだ。打撃投手の前に置かれた防球ネットの下部分を狙い、低く強い打球を意識する。この試合で3安打を放った海老根は「(チーム内では低い打球を)甲子園になってからより強く意識を持とうという感じです」と語る。実際に聖望学園から放った25安打のうち20本は単打だった。

 旭川大高(北海道)との1回戦は3点を先制される展開で苦しんだ。しかし、この2回戦は先発の左腕・前田悠伍投手(2年)が5回を1安打無失点9奪三振の快投。その後も小林丈太投手(3年)、青柳佳佑投手(3年)、別所孝亮投手(3年)が危なげない投球を見せた。史上初となる3度目の甲子園春夏連覇へ弾みがつく1勝となった。(喜岡桜 / Sakura Kioka)