ミニマリストで整理収納アドバイザーのおふみさんが、シンプルに心地よく暮らすコツをご提案。今回は、ベッドを手放して暮らしがラクになったことについて詳しく聞きました。

ベッドを手放して家事ラク、心まで身軽に<おふみの暮らし絵日記・第8回>

「手放してよかったものNo.1を挙げるならなんですか?」
これまでにもっとも多く受けた質問かもしれません。

<写真>軽い折りたたみマットレスなら立てかけるのも苦ではない

圧倒的No.1は「ベッド」です。

これを手放したことで、空間だけでなく時間も手に入りました。そしてなによりよかったのが、カビから解放されたことでした。

 

●カビの上で眠る日々

かつてわが家では、木製のダブルベッドフレームの上にマットレスを置いて寝ていました。実家は布団生活だったので、ベッドというものの扱いが身についていませんでした。
こまめにマットレスを立てかけて風を通したりすべきだと思いながらも、マットレスの上にあるシーツや毛布や布団を避けておく場所が定まっておらず、ついつい先延ばしにしていました。

ある日、ベッドフレームの掃除をしようと思い立ち、マットレスを立てかけました。すると衝撃的なものが視界に飛び込んできました。
マットレスの裏側とフレームが、カビで色が変わっていたのです。

かなり広い面積に生えたカビはショッキングで、目にしたときは思わず「ぎゃっ」と声をあげてしまいました。

消毒液を噴霧してふき取り掃除したものの、色は残ってしまいました。
また、カビは一度生えると除去が難しいとも耳にします。マットレスを解体するわけにもいかず、私がふき取りできたのはマットレスの表面だけです。カビの胞子を完全除去できたとは思えません。

ベッドの上で横になるたびに、「私は今、カビの上で寝ているんだ…」という意識が常にあり、心が休まりませんでした。

 

●ベッドを手放したら、メンテナンスの時間をごっそり手放せた

その後、引っ越しを機にベッドを手放しました。代わりに、三つ折りマットレスと布団スタイルになりました。

布団干しスタンドを用意し、起きたらそこに布団を干します。三つ折りマットレスは軽いので、簡単に立てかけておけます。これなら苦にならずに毎日上げ下げできるので、マットレスに風を通すのが習慣になりました。
このスタイルにしてから7年以上経ちますが、一度もカビさせたことがありません。

カビと、カビが生える環境を手放すことができました。

また、ベッドを手放して布団スタイルになったことで、空間を多用途に使えるというメリットもありました。
ベッドの場合、その部屋は寝室としてしか使えませんが、布団なら畳んで空間をあけることができるので、夜は寝室、日中は仕事部屋やリビングなどいろんな用途で使えます。
同じ1LDKでも、もう一部屋増えたようなお得感がありました。

また、シングルサイズを二つ並べる形を取ったので、ダブルベッド時代によくあった寝具の取り合いもしなくてよくなりました。どちらかが巻き取るように寝具を多く占有してしまい、もう片方が寒さに身を縮こまらせることってダブルベッドあるあるかなと思います。
とくに当時は雪国暮らしだったので、冬場に各個人の寝具で防寒対策バッチリで眠れるようになったことは、体調管理する上でメリットが大きかったです。

●コンパクトな寝具に、心まで身軽になった

重いダブルのマットレスをたまに立てかけるより、軽い折りたたみマットレスを毎日立てかけることを習慣づけた方がずっと気持ちがラクです。
ベッドフレームやマットレスのメンテナンスというタスクからも解放されました。

また、コンパクトにたためるということは移動性も抜群ということ。
引っ越しの際のベッドの解体・組み立てからも解放されて、引っ越し作業が劇的にラクになりました。自力で引っ越しすることが多かったので、このメリットは大きいです。
気軽に好きな土地や物件に引っ越せる自由さを手に入れて、心まで身軽になりました。

もちろん、個人の生活スタイルや身体的理由などで、ベッドの方が適している場合もあると思います。自分の生活スタイルに合った道具を使うのがいちばんです。
そう考えると、現状わが家では折りたたみマットレスがベストでした。

「手放してよかったものNo.1を挙げるなら?」

この質問、あなたならなにと答えますか?