ヴィッセル神戸の監督交代劇、ユーチューバーによる暴露騒動など、本業以外でも話題の楽天グループ・三木谷浩史会長兼社長(写真・アフロ)

 7月4日、楽天グループは、子会社の楽天銀行が東京証券取引所へ新規上場申請をおこなったと発表した。今後、実際に上場するには、日本取引所自主規制法人による上場審査を経て、東京証券取引所から上場承認を得る必要がある。

 上場で調達した資金は、金融とITを融合させたフィンテック事業などの成長投資に充てる方針だ。時期は未定だが、東証の最上位市場となる「プライム」への上場を予定している。

「楽天グループは、携帯電話事業の基地局整備に多額の資金を投じ、財務内容が悪化しています。

 負債の影響からか、楽天ポイントや銀行利息など、ここ最近はグループ全体のサービスの改悪が目立ちます。最大の目玉だった携帯通信料金『ゼロ円』プランも6月いっぱいで廃止され、加入者離れが進んでいます。今後も、モバイル事業の赤字が一段と膨らむと見られています。そのため株価下落も止まらず、2021年7月時点で600円前後と、2021年の半値水準。今回の楽天銀行の上場も、楽天グループの株価対策との見方が強いですね」(市場関係者)

 楽天銀行の上場申請が報道されると、ネット上では、「モバイル事業を何とかせよ」という声が多く上がった。

《親子上場が問題視される風潮の中であえて楽天銀行を上場させるのは、言うまでもなく楽天Gで大赤字の原因となっている楽天モバイル事業への資金調達の為という理由が大きいのでしょう》

《かねてから楽天モバイルが楽天Gの「金喰い虫」になることを懸念していましたが、それは今でも変わっていません》

《楽天Gとして有利子負債が莫大だからその穴埋めが目的に見えます。楽天の株価も通信事業の苦戦が響いてこのところずっとじり貧だっただけにそのテコ入れの意味合いもありそう》

《止まらないモバイルの赤字をなんとか小手先で辻褄合わせしても構造改革にはならないと思いますが》

 上場申請を発表してからは、楽天グループの株価は20円ほど値上がりしている。これが長続きするかは、今後のモバイル事業次第ということか。