既存型とはローターの羽数が違うのがポイント。

傑作国産ヘリコプター最新型の警察仕様

 川崎重工は2022年6月30日(木)、警察庁に最新型ヘリコプター「H145/BK117D-3」を2機納入しました。警察庁へD-3型を納入するのは今回が初であり、秋田県と埼玉県で運用される予定です。

 最新型であるD-3は、従来型BK117D-2の改良型として2021年5月に国土交通省航空局の型式証明を取得しており、D-2とD-3を見比べた場合、メインローターのブレード数がD-2の4枚から5枚になっているのが特徴です。なお、これにより飛行中の振動が低減し、快適性が向上しています。

 加えてメインローターシステム自体が点検項目の削減および整備の容易な最新構造に改められたことで、整備期間も約半分に短縮されているほか、最大全備重量の増加と機体重量の削減によって、有効搭載重量がD-2に比べて約150kg増加しています。


警察庁向けのH145/BK-117D-3ヘリコプター(画像:川崎重工)。

 BK117は、ヨーロッパのMBB社(現エアバス・ヘリコプターズ)と国際共同開発した中型の双発ヘリコプターで、救急医療、消防・防災、警察、報道、人員輸送、物資輸送など多用途に用いられています。

 川崎重工の発表によると、2022年6月30日現在、同社納入分だけでシリーズ通算185機、エアバス・ヘリコプターズ社の納入分を合わせると全世界で1700機以上の納入実績があるといいます。