月に行く超小型の変形型月面ロボット「SORA-Q」初公開 子ども達と宇宙への夢を繋げたい 「SORA-Q」製品モデルも発売予告

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タカラトミー、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)、同志社大学は、2022年6月16日、共同開発した超小型の変形型月面ロボット「SORA-Q」を「東京おもちゃショー2022」で一般関係者向けに初公開した。それに併せて、トークイベントも開催した。
また、実際のロボット「SORA-Q」をもとに製品化した玩具「SORA-Q プロダクトモデル」が発売されることも発表した(価格や時期は未定)。





JAXAの久保田孝氏、同志社大学の渡辺公貴氏と桝太一氏、タカラトミーのSORA-Qプロジェクトメンバーらが登壇してトークショーとデモを行った。
「SORA-Q」は、JAXAプロジェクトの名称「LEV-2」、小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」に搭載されて実際に月に行き、着陸時に月面に放出され、移動しながら画像の撮影やデータの取得を行う役割を持つ。
小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」は100m内のピンポイント精度で着陸するという、高難度のミッションを担っている。



球状で月面に放出される ©JAXA/タカラトミー/ソニー/同志社大学




2種類のモードで移動して、撮影等を行う
玩具の知見を宇宙ロボットに活かしている点でも注目を集めている。
トークショーでは、タカラトミーや同志社大学のメンバーから「おもちゃ会社が宇宙開発に貢献できることが感慨深い」「タカラトミーらしく子ども達に宇宙の魅力を伝えたい」といった意見を述べ、JAXAの久保田氏からも「小型、軽量、低消費電力の技術が大事で、宇宙のロボットにもその技術が大切で実は相性がよい」というひと言があった。

■動画 SORA-Q、JAXAとタカラトミー等の共同開発によって生まれた超小型の変形型月面ロボット:


一方で開発メンバーからは「月面は砂で覆われているため、小型軽量のロボットが重力が1/6の月面の砂上で本当に自律動作できるのか」が心配だと語った。

●デモを初公開

デモでは月面に放出された球状の「SORA-Q」が、一瞬で変形し、両輪をうねらせながら動作する様子が見られた。なお、この変形はAIの自律判断によって行われるという。



デモでは月面をイメージした白砂の上に「SORA-Q」が置かれて、球体から移動モードに変形する様子を実演した








同志社大学の桝太一氏は「おもちゃは人が科学に触れる初めてのもの。子どもと宇宙を繋げる地続きになるもの、宇宙が更に身近に感じるきっかけになって欲しい」と語り、タカラトミーからは「どうして空気がないのだろう、どうして重力がないのだろう等、子ども達に宇宙に対して更にいろいろと疑問を持って欲しい。SORA-Qの名前のQはQUESTIONの意味がある」とコメントが聞かれた。

■デモの動画:




「SORA-Q」の詳細は下記の関連記事を参照。

●プロダクトモデルの発売予定

終了後、動画を通じて、実際のロボット「SORA-Q」を模して製品化した玩具「SORA-Q プロダクトモデル」が発売されることも発表された。価格や時期など詳細は公表されなかった。



■SORA-Qをご自宅にも!JAXAとタカラトミー等の共同開発によって生まれた、超小型の変形型月面ロボットの商品化が決定。:


「SORA-Q」の最新情報は「LINE」の友達登録で情報入手できるとのこと。