ロッテ・佐々木朗希(左)と阪神・佐藤輝明【写真:福谷佑介、荒川祐史】

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佐々木朗はZOZOマリンで“無双”、4試合でわずか2失点

 ロッテの佐々木朗希投手が27日、本拠地ZOZOマリンスタジアムでの阪神戦に先発する。完全試合を達成した右腕と対峙する阪神は自力優勝消滅の危機に瀕している。果たして阪神打線は“令和の怪物”を打ち崩せるのか。勝負のポイントを探ってみたい。

 今季9試合目の先発登板となる佐々木朗。5月10日のオリックス戦での完全試合を含み、無傷の5勝をマークする。55イニングを投げて87奪三振。奪三振率は驚異の14.24をマークし、与四球はわずか8個だけ。防御率1.47はオリックスの山岡泰輔投手に次ぐリーグ2位となっている。

 本拠地ZOZOマリンではほぼ“無双”だ。ここまで4試合に投げて2勝0敗。完全試合を達成したのも本拠地で、ここまでわずか2点しか失っていない。防御率は0.58。打たれた安打は9安打だけで、1試合平均で2.25安打となる。ZOZOマリンスタジアムでの佐々木朗希を打ち崩すのは至難の技と言える。

 阪神はここまで18勝31敗1分けでセ・リーグの最下位。チーム打率.222、146得点はともにリーグワーストだ。交流戦では楽天と戦った3試合は1点、1点、0点と得点力不足に喘いでおり、苦しい戦いとなっている。

阪神は佐々木朗の武器である真っ直ぐとフォークの得点貢献がリーグワースト

 阪神打線の特徴を、セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータから紐解くと、佐々木朗と対峙する上で厳しい数字が出てくる。佐々木朗の武器といえば、160キロを超える真っ直ぐとフォーク。ここにわずかにスライダー、カーブを交えるくらいで、ほぼ2球種で投球を組み立ててくる。

 阪神打線の球種別の得点貢献を示す指標を見ると、真っ直ぐの「wFA」は「-35.5」となり、セ・リーグでワースト。同5位のDeNAが「-17.1」となっており、阪神打線がストレートを苦手としていることが浮き彫りとなる。また、フォークでの得点貢献を示す「wSF」は「-9.9」でこちらもリーグ最低。佐々木朗が武器とする真っ直ぐ、フォークを阪神打線はどちらも苦手としているようだ。

 佐々木朗と阪神は昨季の交流戦でも一度、対戦している。この時に3打数3安打と右腕を“カモ”にしたのはジェリー・サンズ外野手だが、昨季で退団となり、今年はチームにいない。サンズ以外には大山悠輔内野手、佐藤輝明内野手、小幡竜平内野手、ラウル・アルカンタラ投手が安打を放っている。中軸を打つ大山、佐藤輝に期待したいところか。

 ただでさえ難攻不落の佐々木朗なだけに、阪神打線が大量得点を奪うことは難しそう。となると、先発のウィルカーソンの好投に期待してロースコアゲームに持ち込み、佐々木朗に球数を投げさせて早いイニングでの降板に繋げること。どう阪神打線が佐々木朗と対峙するか。注目の一戦は18時試合開始だ。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。