Studio Display
Apple

アップルの新たな外付け5Kディスプレイ「Studio Display」は18日に発売されますが、特に注目を集めたのが「iPhone 11と同じA13 Bionicを搭載」している点です。9日のイベントでは簡単な説明はあったものの、深く掘り下げられることはありませんでした。

2つの高性能コアを搭載し、1秒間に1兆回の演算が可能なA13は、単なるモニターにとっては過剰な性能とも思えます(第2世代のApple TV 4KでさえA12 Bionicです)。このA13がStudio Displayにどんなメリットをもたらしているのか、テックメディアThe Vergeが詳しく解説しています。

アップルの公式説明によれば、A13の役割は「センターフレーム、空間オーディオ、「Hey Siri」などの革新的な機能」をStudio Displayで使えるようにするとのことです。

センターフレームは、ビデオチャットのときに自分(または複数人)が視界に入るようにフレームを自動的に調整し、拡大または縮小する仕組みです。ここでA13は12MP超広角カメラからの画像信号処理を最適化しつつ、ユーザーが動き回ってもフレームの中心から外れないように調整するわけです。

またオーディオ面では、A13はドルビーアトモス対応コンテンツの処理を担当し、6つのスピーカーのすべてと連携して「洗練されたシアターのようなサウンドステージ」を体験できるーーアップルは製品ページでそう公称しています。

最後にA13は、Studio Displayがハンズフリーで「Hey Siri」の音声コマンドを聴き取ることも可能にしました。この機能は従来のMacBookモデルやiMacなどにもなかったものであり、ディスプレイにA13が加わって初めて実現したしだいです。

アップルの広報担当者はThe Vergeに対して、次のように語ったと伝えられています。

「Studio DisplayでHey Siriを使うには、Macとの接続が必要です。Studio Displayは、低消費電力で常時稼働する処理を利用して、デバイス上で「Hey Siri」のウェイクコマンド(音声アシスタント機能を呼び出す言葉。いわゆるウェイクワード)を検出します。Hey Siri コマンドを検出したときだけ、Siriはリクエストを聞き、処理を開始します」

これらを総合すると、A13 BionicはStudio Displayのカメラとスピーカーを最大限に活用し、Mac側のリソースによぶんな負担を掛けることなく、常に耳をすませて「Hey Siri」を聞き取ってすぐさま天気予報を話したりタイマーをセットできる、ということでしょう。

ただし、A13のもたらすメリットすべてに「Macに接続する必要がある」との但し書きが付いています。Appleシリコンの1つであるA13はMacのみと連携し、Windows PCの元では仕事をしてくれないことも確認されています。

アップルはThe Vergeに対し、Studio Displayは「macOS 12.3以降を搭載したMacに接続した場合」ファームウェアがアップデートできると回答しています。

つまり今後、ソフトウェア更新によりA13の潜在能力が呼び覚まされ、ある日Studio Displayが「実はApple TVの機能ぜんぶ持っています」と言い出す可能性もなくはなさそうです。ともあれ現時点では、アップルは将来の機能につき一切言及していないとのことです。

Source:The Verge