M1 Ultra
Apple

アップルが9日未明に発表した「Mac Studio」は、新たな最上位プロセッサ「M1 Ultra」が選べる点が特徴の一つです。しかし、実はM1 Ultra版とM1 Max版とで仕様表を確認すると、直接的にプロセッサで変わる仕様以外にも、いくつかの点で興味深い違いが見つかります。

中でも本体重量に関しては、M1 Max版が2.7kgなのに対して、M1 Ultraモデルは3.6kgとされ、900gも重くなっています。

なぜ、これほど重量に差があるのか? アップルがその理由を説明しています。

アップルがThe Vergeに送ったメールによると、M1 UltraはM1 Maxが2つ合体したチップではあるものの、それだけが原因ではないそうです。以下が、同社広報による回答です。

これら(M1 Max版とM1 Ultra版)は同じ370Wの電源を搭載しています。この重量増は、M1 Ultraがより大きな銅製サーマルモジュール(ヒートシンクを含む冷却装置)を備えているのに対して、 Maxはアルミニウム製ヒートシンクのためです。

要はM1 Ultra用のヒートシンクに使われた銅の方が、M1 Maxのアルミよりも重いから、というわけです。

The Vergeは「室温では、銅は1立方cmあたり8.96gに対して、アルミニウムは2.70gとすこぶる軽い」と説明しています。つまり、ヒートシンクの設計が全く同じであれば、銅製はアルミ製よりも3倍以上も重くなるということです。

このヒートシンクとは、半導体から出る熱を吸収し、空気中に放熱する役割を果たす部品のことです。一般的に熱伝導性が高く入手しやすい銅やアルミニウムが主に使われますが、それぞれ一長一短があります。銅は密度が高くて熱伝導率が高い(つまり放熱の点で有利)な一方で重く、アルミ製は熱伝導率こそ銅には及びませんが、重量は軽くなります。

つまりM1 UltraはMaxに比べて相対的に発熱が多くなるため、それを冷却するヒートシンクに高性能な銅製モデルを採用し、発熱に対策しているというわけです。

PC用のヒートシンクとしてはCPUの上に銅製が直置きされることもありますが、アップルも放熱の効率を重視しつつ、軽量化の必要が薄いデスクトップという形態を考慮して、素材に銅を選んだと思われます。

M1 Ultraは、16個の高性能コアと4個の高効率コアから成る20コアのCPUのほか、最大で毎秒22兆回の演算を実行できる32コアのNeuralエンジンや64コアのGPUを搭載しています。

それにより最上位のMac Proに対して性能が勝るというGeekbenchスコアもリークされており、900gの重量増はわずかな代償といえそうです。

Source:The Verge

via:9to5Mac