満月もスノームーン。いちばん寒い星空の見どころは!?
立春を過ぎましたが、真冬の寒さが続いています。寒いからこそ夜空は冴えわたり、星はきらめきを増します。見逃さないでほしい、今だけの月と星、そして国際宇宙ステーションをご紹介します。
スター1★2月の満月は“スノームーン”
2月17日21時ころの南東の空に昇る満月としし座。(画像:アストロガイドブラウザ2022/アストロアーツ)
2月17日の17時半、澄み切った空に満月が昇ります。上の図は21時ころの南東の空です。満月はしし座のお腹の下に。満月を見つけたら、少し右(西側)に、1等星のレグルスがあります。レグルスはしし座の腕のあたりにあります。レグルスが見つかったら、その上のほうに逆ハテナマークを探しましょう。それが、しし座の頭です。この時間帯になると、春の星座が夜空を飾ります。下界では今がいちばん寒いのですが、天上ではもう春が来ているのです。
ところで、アメリカでは2月の満月のことを「スノームーン」と呼ぶ人もいます。雪の月。ピッタリですね。ちなみに1月はウルフムーン(狼月)、3月はワームムーン(虫月)と呼ばれ、これらはアメリカ大陸の先住民たちが名づけたといわれています。
今年はすでに都市部でも雪が降りました。17日の満月はスノームーンになるでしょうか!? 雪が降ったら月も見えませんが、もし雪が地面に残っていたら、月の光を反射して明るい夜になるかもしれません。
スター2★2月の「きぼう」は20日の夜明け前がチャンス!
地球をぐるぐる回り続けて11年、国際宇宙ステーション。(画像:NASA)
国際宇宙ステーションISSの活動を2030年に終了することが、NASAから発表されました。2011年に完成し、それから地球の周りを回ってさまざま実験、研究成果を挙げたISS。日本の実験棟「きぼう」も参加して、無重力環境での健康や栄養の研究などなどを重ねてきました。がんばりましたねー、というか2030年までまだまだがんばってください。
さて、この季節、モノ好きといわれるかもしれませんが、夜明け前に見るISSはひときわきれい!
今月最大の見頃は、2月20日の夜明け前。5時前後に、南西から北東へ向かって日本上空を通過します。2月11日現在の予想では、東京で南西に見え始めるのが4時58分。北西に消えていくのが5時2分。高度は最高66度まで上がりますので、かなり見やすいはずです。
20日の東京の日の出は6時22分。たぶん1日の中でもっとも気温が下がっている時間帯だと思いますが、薄明の中をキラッと光るISSが見られたら、たぶん1日ずっといい気分!
予測される「きぼうが観測できる時刻」は変化しますので、直前にこのサイトで確認してください!
きぼう予報
https://lookup.kibo.space
スター3★西の空に仁王立ちのふたご座
2月中旬の18時ころの西の空を、ふたご座、オリオン座、ぎょしゃ座など、冬の星座が飾ります。(画像:アストロガイドブラウザ2022/アストロアーツ)
日没後の西の空が豪華です。冬の星座たちが続々と西の地平線に向かっているからです。見どころは、西の空にスックと立ち上がったふたご座です。上の図を見てください。人形のように立ち上がったふたご座が、まるでオリオン座やこいぬ座、おうし座などを操っているように見えませんか? ふたご座の頭の左側にあるオレンジっぽい星が1等星のポルックスで、その右のちょっと白っぽい星が2等星のカストルです。ポルックスが弟で、カストルが兄です。
冬の星座が夕空を飾るようになったら、春はもうすぐ! さみしいような、でも春が待ち遠しいような。西の地平線に沈み行く冬の星座たちを見送ったら、今日も1日お疲れさま! まだまだ冷えます。あったかくしておやすみなさい〜Zzzz
*文中の時間や星図は東京の国立天文台を基準にしたものです。
文/佐藤恵菜