[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

写真拡大 (全3枚)

DAZNだからできたのか、DAZNだからダメなのか問題!

テレビでめっきり映らなくなったと評判のサッカー日本代表戦。しかし、試合はしっかり行なわれていました。昨晩行なわれたのはワールドカップ(あるんだ)アジア最終予選(やってるんだ)日本代表(誰がいる?)VSベトナム代表(知らん)の一戦。アウェーでの試合はスポーツ配信アプリDAZNが独占配信するとのことで、ひっそりと箱庭のなかで試合は行なわれていました。

試合自体は、まぁ、こんなもんやろ、という内容。日本代表は終始押し気味に試合を進め、さほど極端な戦い方をしてこないベトナムに対して、きっちりと先制点を挙げ、そのまま逃げ切りました。途中には追加点と思われた場面もありましたが、これはVARによってオフサイドとなり大きく得失点差を稼ぐことはできませんでしたが、まぁこんなものでしょう。季節感の異なる敵地に、移動の難を乗り越えて各地から集った日本代表ですから、まずは勝てば十分。得失点差云々など関係なく、残り全部勝てば何の問題もないのですから、勝てば十分です。

↓判定は理解できるが、これをオフサイドとするのは勿体ないスーパーゴールでした!


いやー、惜しかった!

でも、しょうがない!


「野球のクライマックスシリーズとは別のメディアでやって欲しいんだよね」「野球のCSだって2試合切り替えるの面倒なんだし」「日本代表くらいテレビでやればいいじゃないの」などと毒づきながらの観戦ですが、DAZNの実況席からも何やら毒の気配が漂ってきます。ちょこちょこ漏れ聞こえる酒場でくだを巻いているオッサンのようなしゃべり方。語尾に常に「ぇ」とか「ぁ」とかがついている粘りつく感じ。「センタリング」という古代語を頑なに使うサッカー観。中継情報をチェックせずに見守っていた僕はマツイさんと呼ばれるその人物に急速に惹きつけられ、そして思い出しました。

こいつ…この人は…加藤ローサさんの夫・松井大輔さんだ…!

世界のサッカーの闇をわざわざ見つづけた旅人だ…!

パズルのピースがハマるようにすべてに納得がいったあと、僕は改めて中継をチェックし始めました。サッカー大好き人間の集いにふさわしく、戦術論が跋扈する世界となったDAZNで、一体松井さんは何を語るのか。裏チャンネルと称する別枠では同じ試合を見ながら内田篤人さん・岩政大樹さんが戦術論をベースに世界と戦う知性を語ってくれているのに、松井さんをメインチャンネルに置いて本当に大丈夫なのか。心配と冷やかしと悪意とがゴッチャになって、試合よりも松井大輔さんを見守るベトナム戦が始まったのです…!

↓このふたりを一緒にしても化学反応が起きる気がしませんねぇ!

ベトナムリーグの闇を見てきた経験が期待されての起用だとしたら、たぶんそれはいらない情報だと思います!

それこそ「裏チャンネル」向きでしょ!

日本人が海外で成功する方法 [ 松井 大輔 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2021/11/12時点)



中継に登場した松井さんは明るい茶色のスーツをまとい、スタジオのなかで浮き上がるような存在感を放っています。目を凝らさないと見えないサイズではありますが、インナーの白Tには「soccer junky」のプリントが。ときどき角度の関係でただただ「junky」というプリントだけが見える瞬間もあったりする「今日それ着るか?」のコーディネート。いきなりヤバイ匂いが漂っています。

松井さんは、岩政大樹さんが「日本代表は4-3-3でウィングが大きく開いて…」みたいな話を始めようが、中村憲剛さんが戦術ボードを使ってポジショニングを解説しようが、「ふーん」くらいの顔。実況アナに「松井さんはいかがでしょうか」と仕方なくふられても、「僕は、早く点取って欲しいなと」「いっぱい点取って欲しい」「三笘クンが早く見たいな」と反知性のポジショニングからくだを巻きます(※得失点差を稼ぐならココだ、という主旨である模様)。

戦術の話をしているときはボードが倒れないように押さえるくらいしか参加する気がないのに、三笘薫のドリブルを語り始めたら熱弁をふるうその姿。現役時代(※Fリーガーとして今も現役ではあるが)とまったく変わらない「最終的には俺がドリブルして全員抜けばいいんだろ?」という姿勢は、「やっぱこれこそが地上波の反知性解説だよな!」とヒザを打つ思い。内田篤人さんからはまだ試合も始まっていないのに「大輔さん本当に大丈夫ですか!?」と柔らかいダメ出しが飛び出しますが、僕の期待感は高まる一方です。逆にね!

↓戦術論の時間はボードを押さえるくらいしか参加しない松井さん!

ファンタジスタだからしょうがないですね!

誰がどこで何してようが、全員抜けば関係ないから!

さすが、日本のマラドーナ!



そして始まった試合。ベトナムの印象について「体格は大きくない」「すぐ倒れる、すぐファールする」「気にする必要はない」と包み隠すことのない本音で斬りつける松井さんは、「ドリブルの話」「サイドを突破する話」「ベトナムの闇」を三本柱として毒解説をつづけます。論理的な解説をしようとする中村憲剛さんと、全方位に毒を噴霧する松井さんのまったく話が噛み合わない中継は、「あぁこのふたりをピッチに並べても何も起きねぇだろうな」ということが完全に理解できる感じ。地上波でやっていたら、いろいろな意味で放送事故だったんでしょうね!

<松井大輔解説者の楽しいおしゃべり集>

●ベトナムリーグの特徴
「2チームだけ…3チームくらいしか強いチームがなくて、ほかはあんまりボールをつないでこない。ロングボールが多い。2トップに強い外人を置いて(そこに当てるサッカー)」

●ベトナム代表監督について
「パク・ハンソ監督、すっごい嫌いなんでね。日本が。めちゃくちゃ言われたことありますからね。日本の製品は使わない!とか」
「めちゃくちゃ有名な監督で。銅像が建つんじゃないかって言われてますよ」
「サイゴンFCにいたときにサイゴンFCのひとりがベトナム代表に入ってたんですけど、(サイゴンFCが)日本化を進めるということでだいぶ嫌ってたみたいで、その選手最後(代表に)入れなくなったという」

●隣に中村憲剛さんがいるけれど…
「早く海外に行かないと成長できないですからね」
「山根クンいいですね。海外に早く行ったほうがいいのかなやっぱり」

●サイドの選手について
「伊東純也も速いね!ハハハハ」
「10番のグエンコンフォン速いですからね」
「戦術伊東」
「(伊東は)画面から外れちゃう速さがある」
「足の速い選手ってセンタリング上手い選手なかなかいない。足の運びだと思う。なかなか自分のスピードを殺せない。三笘クンだと細かいところもいけるしセンタリングもいける」

●日本代表のセットプレーについて
「ちゃんとしたフリーキッカーいないんすね」
「もうちょっとコーナーキックを工夫したほうがいいんじゃないかな(笑)って思うんですけどね」
「そろそろセットプレーで、そろそろセットプレーでお願いしたい」

●19番グエンクアンハイについて
「人気選手ですね。唯一じゃないですかね。日本でもできそうな感じはしますけどね。でも、(ベトナムは)意外に給料高いんでね」

●ベトナムの若手について
「(若くていい選手が)多いですねぇ。でも監督が使わないんですよね。経験のある選手を使うので、育たなかったりする」

●守田英正さんについて
「気性はやっぱ荒いんですか?」
(「負けん気は強い」「やられたらやられっぱなしではない」と中村憲剛さんが言い方を訂正)
「僕もやられました(笑)」



試合を終えたあとは、メインチャンネルと裏チャンネルのメンバーが集っての感想戦。戦術面をタップリと語ってきたと満足気な岩政さんを前にして、まさかメインチャンネルのほうでは相手監督の暴露話をしていたなどと言えるはずもありません。言えるはずもありませんが、「松井さん大丈夫でした?」と完全に疑いの目で見ているあたりはさすが内田さんといったところでしょうか。松井さんは「全然大丈夫だよ」「ちゃんとやったつもりなんだけどね」と自信たっぷりですが、メインチャンネル組からは若干の笑いも漏れています。

その後、画面に書き込みができるタッチペンを手に、戦術解説がやりやすいとはしゃぐメンバーを尻目に、松井さんは「俺はボールが欲しいんだよ」と文明の利器には目もくれません。ちょっとだけマグネットの戦術ボードに手を出したときには「伊東純也はどれ?」とマグネット素人ぶりを遺憾なく発揮し、「これが本物のドリブラーだ」というところを戦術家どもに見せつけてやりました。

最終的に岩政さんが「(次戦の)選手選考は序列とかではなく、相手に応じて変えていくところが見たい」とまとめのコメントを発したところで、最後の爆弾「でも変わらないと思う(笑)」「変わんないでしょ?(笑)」を落としていった松井さん。サッカーが上手くなかったら即座にスタジオから蹴り出されそうな気もしますが、サッカーが上手いんだからしょうがありません。今後はぜひ地上波のほうでセルジオ越後さんなどの辛口解説者との世代交代を狙っていただきたいもの。世界のサッカーの闇を語って、地上波を騒然とさせてくださいね!

↓「(森保采配は)変わんないでしょ?(笑)」は残念ながらSNSではカットされてしまいました!

あーーー、あと5秒くらいで入ったのに!

ま、そこを入れないために切ったんでしょうが!

【中古】独破力 / 松井大輔
価格:150円(税込、送料別) (2021/11/12時点)



「誰が誰を嫌いか」の細かすぎる情報を中心とした解説に今後も期待です!