新場面写真も公開
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 ジョニー・デップ主演の映画『MINAMATA−ミナマタ−』(9月23日公開)から、音楽を担当した坂本龍一のコメントと、新たな場面写真5点が公開された。

 本作は、日本における水俣病の惨事を世界に伝えたアメリカの写真家ユージン・スミス氏の日本での取材を描くヒューマンドラマ。ジョニーがユージン氏を演じ、1971年から1974年の3年間にわたり水俣で暮らし、公害に苦しむ人々の日常や闘いの日々を写真に収めていく姿が映し出される。

 音楽を手掛けたのは、『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』など映画史に残る名作の音楽を担当してきた坂本龍一。メガホンを取ったアンドリュー・レヴィタス監督は「本作の作曲家にと、私たち製作陣が夢見ていた人だ。元々私の理想の作曲家だが、特に本作においては完璧だ。彼は産業公害に強い関心を持っているし、音楽で世界を癒している」と語っており、「この物語の人々と、すべての人間に秘められた美しさを音楽に反映したかった」という監督の思いを坂本が引き受け、演奏に使用する楽器の年代にまでこだわり音楽を完成させたという。

 坂本は「ミナマタに悲劇をもたらしたことと同じことが、その後も世界中で起きていると思います。その意味でミナマタは決して過去のことではないという気持ちで音楽を担当しました」と胸中を明かした。音楽には、本作で「LIFE」誌の副編集長ミリーを演じた世界的メゾプラノ歌手、キャサリン・ジェンキンスも参加している。

 併せて公開された新場面写真は、ジョニーふんするユージンと美波演じる妻アイリーンが工場を背景に視線を交わすシーンや、二人が水俣病患者のもとを訪れて話を聞く姿、真田広之演じるヤマザキ・ミツオが険しい表情でたたずむ場面、國村隼演じるノジマ・ジュンイチが「LIFE」誌に掲載されたユージンの写真を静かに見つめる姿、そしてビル・ナイ演じる「LIFE」誌の編集長に真剣な視線を向ける副編集長(キャサリン)など、物語の鍵となるシーンが写されたものとなっている。(清水一)