ジャン=ポール・ベルモンドさん(2010年撮影)
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[パリ 6日 ロイター] - 映画『勝手にしやがれ』などで知られるフランスのスター俳優ジャン=ポール・ベルモンドさんが6日に死去した。88歳だった。仏映画界に新風を起こした「ヌーベルバーグ」運動の代表的存在として人気を博した。

 1933年、パリ近郊のヌイイシュルセーヌに生まれ、パリの国立高等演劇学校で学んだ。ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』(1960年)ではチンピラ役を演じて世界的なスターダムにのし上がり、『気狂いピエロ』(1965年)などでも高い評価を得た。

 その魅力は皮肉と繊細さ、温かみや無意識の安らぎが生み出す新しいロマンティックとされ、ヌーベルバーグの代表であるフランソワ・トリュフォー氏、アラン・レネ氏、ルイ・マル氏といった監督作品にも起用された。

 自らスタントをこなすことも多かったベルモンドさんはその後、多くのコメディー映画やアクション映画に出演。ただ、芸術作品から商業作品に転向したことについて、才能を無駄にしたという批判も受けた。これについて、本人は「ある俳優が成功すると他人は、努力をせずリスクを取りたくないから楽な道を選んだ、と背を向ける」と反論した。

 マクロン大統領はベルモンドさん死去を受け、フランスが「国の宝」を失ったとツイートした。

 AFP通信などによると、代理人のミシェル・ゴデスト氏はベルモンドさんが自宅で亡くなったと明かし、「フランス中が悲しんでいるようだ」と語った。