韓国では最近、若者の間で「日本よりも中国のほうが嫌い」という傾向が鮮明になっているという。これは米紙・ニューヨークタイムズも伝えているほどだが、中国メディアの網易はこのほど、韓国の民意にこのような変化が生じた理由について分析する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 韓国では最近、若者の間で「日本よりも中国のほうが嫌い」という傾向が鮮明になっているという。これは米紙・ニューヨークタイムズも伝えているほどだが、中国メディアの網易はこのほど、韓国の民意にこのような変化が生じた理由について分析する記事を掲載した。

 記事は、韓国で行われた世論調査の結果を米ニューヨークタイムズまでもが紹介したことを伝えた。これは1000人の韓国人を対象にした調査で、60%近くの回答者が中国に対する印象が悪いと回答し、中国は善良だと考える人はわずか5%だったと伝えた。また、米シンクタンクによる別の調査によると、世界の10数カ国のうち韓国だけが唯一、高年齢層よりも若年層の反中感情の方が強い国だったことにも言及した。

 なぜ韓国では若者を中心に反中感情が悪化しているのだろうか。記事は2つの要因が考えられると分析した。その1つが「韓国大統領選が近いこと」だという。候補者にとっては、経済と新型コロナ問題以外に「中国カード」が民心を獲得する手段になっているとし、候補者は中国を叩いてばかりであり、これが若い世代の対中感情に影響していると主張した。

 別の理由は「韓国人の多くが親米であること」だと主張。韓国政府は米中のはざまで「どちらの肩も持たない」という姿勢だが、韓国国民はそうではなく、米中が対立すれば米国側に立つ人が多いと主張。それで、近年では米国が中国を「口撃」しているので、同調する韓国人も多く、これが若い世代の世論に影響していると分析した。

 最後に記事は、韓国の若年層の民意の変化は中国にとって警戒すべきことだと指摘した。日本やオーストラリアなどと違って、韓国は明確に中国包囲網に加わらない数少ない国だからだと主張し、若者の民意が大統領選に影響して対中強硬派が大統領になれば、中国にとっては不利な状況になるとしている。記事は、対中感情の悪化は韓国国内の問題で、中国自身の言動に問題があるとは全く考えていないようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)