コロナ禍での東京五輪開催には賛否両論があり、運営面での問題も多少伝えられたが無事に閉幕した。2022年に北京冬季五輪の開催を控えている中国にとって、今回の東京五輪はいろいろと参考になる点が多かったようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 コロナ禍での東京五輪開催には賛否両論があり、運営面での問題も多少伝えられたが無事に閉幕した。2022年に北京冬季五輪の開催を控えている中国にとって、今回の東京五輪はいろいろと参考になる点が多かったようだ。中国メディアの騰訊はこのほど、「北京冬季五輪は東京五輪の成功の経験から学ぶべき」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、新型コロナウイルスの感染状況からすると、北京冬季五輪もコロナ禍での開催となる可能性が非常に高いと指摘した。中国は非常に厳しい水際対策や隔離措置で感染拡大を抑え込んでいるが、特に北京は政治の中心とあって防疫体制は中国で最も厳しいと言われる。北京に向かう国際線は、先に国内の別の空港で検疫を行い、問題がないことが確認されてから北京へ向かうことになる。

 この措置により、北京市内へのコロナウイルス流入を防げているが、一方で記事は「北京の空港は人流が多いなかでの防疫という点で経験不足だ」と指摘した。しかも、冬季五輪の開催時期は中国の旧正月の時期と重なるため、海外から多くの関係者が入国すると同時に中国人が帰省などで大移動を繰り広げる可能性があるため、いかに新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐかが最大の関心事になっているという。

 この点で、新型コロナの感染拡大が続いているなかで開催された東京五輪は、中国にとって非常に参考になったようだ。無観客での開催や各国の代表団に対する防疫措置により、順調に競技を行い、選手村の安全を守ったと高く評価した。東京五輪での方法は北京冬季五輪も参考にできるが、冬季五輪は夏季五輪より日程が短く、そのぶん海外の関係者の入国もより短期間に集中し、宿泊場所や試合会場も集中するので、防疫は東京五輪よりさらに困難になるとしている。

 最後に、新型コロナの感染状況はこの先どのように変化するかは未知数だが、「適切な防疫措置をとることで、北京冬季五輪は選手たちに対し、努力の成果を十分に発揮する舞台を提供できるはずだ」と自信を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)