Sペン対応「Galaxy Z Fold3」を徹底解説。Noteを捨てFoldに注力する理由(石野純也)
サムスン電子は、8月11日に自社製品発表イベントの「Galaxy Unpacked」をオンラインで開催。スマホは「Galaxy Z Fold3 5G」と「Galaxy Z Flip3 5G」の2機種を発表しました。
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詳細なスペック等は別記事に譲りますが、いずれもフォルダブルスマホで、Galaxy Z Fold3 5Gは同カテゴリーの端末として初めてSペンに対応するのが最大の特徴。コンパクト化や軽量化も図られており、“飛び道具”的だったフォルダブルスマホを、より当たり前の存在にしていくことがサムスンの狙いです。
元々、サムスンは大きく分けて1年に2回のUnpackedを開催していました。MWC前後の2月ないしは3月にはフラッグシップのGalaxyシリーズ、IFA前後の8月から9月には大画面とSペンが特徴のGalaxy Noteシリーズといった形で、発表する製品を棲み分けてきました。
ところが、今回のUnpackedではGalaxy Noteの発表が見送られています。代わりに発表されたのが、Galaxy Z Fold/Flip 5Gの2製品。これは、フォルダブルスマホ2機種が、Galaxy Noteに代わるメインストリームのフラッグシップモデルに位置づけられたことを意味します。

なぜGalaxy Noteの代わりにGalaxy Z Fold/Flip 5Gが発表されたかというと、やはりSペンの存在が大きいと言えます。
ディスプレイをカバーする素材の問題もあって、これまでのフォルダブルスマホではSペンに対応するのが困難でした。2代目のGalaxy Z Fold2などにはプラスチックに代わり、ディスプレイに折り曲げられるガラスが採用されていましたが、やはり傷はつきやすく、筆圧に耐えられませんでした。こうした課題をクリアし、ついにGalaxy Z Fold 5GにSペンが採用されるに至りました。


Sペンを採用することで、Galaxy Z Fold3 5Gは大画面でSペンが売りだったGalaxy Noteのお株を奪った格好になります。Galaxy Noteはサムスンの中で、イノベーションをけん引するためのモデルという立ち位置でもあったため、Galaxy Z Fold3がSペンに対応すると、そのポジションが中途半端になってしまったというわけです。
フラッグシップのGalaxyにも、大画面やカメラを売りにしたUltraがある以上、Galaxy Noteを継続している意義が薄くなっていたと考えられます。
個人的には、Sペンを採用したGalaxy Z Fold3 5Gの方が、Galaxy NoteよりもGalaxy Noteのような印象を受けました。開いて、絵や文字をペンで書くという所作はまさに紙のノートのそれに近いからです。
縦長のディスプレイだったGalaxy Noteの場合、1行がどうしても短くなりがちでメモを取っているとどんどん縦長になってしまっていましたが、7.6インチのディスプレイを広々と使えるGalaxy Z Fold3 5Gであれば、広々とした画面を使ってメモを取れます。Galaxy Z Fold3 5Gは、まさに“真のNote”と呼ぶにふさわしい端末だと思います。

うれしいのは、インカメラが画面の下に隠れる仕様になっているところ。パンチホール型のインカメラを採用するなどして、極力ディスプレイ側のカメラを目立たないよう腐心してきたサムスンですが、Galaxy Z Fold3 5Gではついにカメラを隠すことに成功。映像を視聴する際の没入感が高まると同時に、Sペンを使う際にもより“ノート感”が増しています。

ユースケースを示した以下の写真からも分かるように、マルチウィンドウで画面を分割して、写真を見ながら模写をするといったことも可能。コロナ禍で主流になったオンライン発表会を見ながらメモを取るようなシーンでも1台で完結するため、非常に使い勝手がよさそうです。
残念ながら今回のUnpackedもオンラインのため、まだ実機には触れられていませんが、早く試してみたいと思わせるだけの魅力があります。


サムスンがここまで“Fold推し”になっている背景には、フォルダブルスマホが次のハイエンドモデルのスタンダードになると見ているからです。
初代「Galaxy Fold」が登場した19年には出荷台数がわずか70万台だったフォルダブルスマホですが、20年には220万台に拡大。21年には、これが650万台へと約3倍の急成長を遂げる予想が外部の調査会社によって打ち立てられています
この予想には続きがあり、来年(22年)には1300万台、23年には3700万台、24年には7830万台、25年には1億1720万台となり、倍々以上のペースで市場が拡大していく可能性があるとしています。その過程の中で、価格も徐々に下がっていくはず。実際、Galaxy Z Flip3 5Gは999.99ドル(約11万円)、Galaxy Z Fold3 5Gは1799.99(約19万8000円)ドルからと、どちらも前モデルより価格が安くなり、手が届きやすくなっています。
特に前者のGalaxy Z Flip3 5Gに関しては、5Gに対応した一般的な5Gモデルとそん色ない程度まで価格が下がっているため、フォルダブル普及の立役者になりそうな印象。少なくとも価格的には、フォルダブルだからと言って特別に高いということはなくなりました。
Galaxy Z Fold3 5Gも円換算でついに20万円を切り、少し背伸びすれば買える端末になりつつあります。こうした価格設定からも、サムスンがフォルダブルスマホにかける意気込みが伝わってきます。
もっとも、安くなったと言っても999.99ドルはハイエンドの価格帯。ミドルレンジモデルの性能が底上げされ、ハイエンドモデルはボリュームゾーンとは言えなくなっている今、予想通りの成長率を保つにはこれでもまだまだ価格の安さは十分とは言えません。
ハイエンドに搭載されてきた機能が徐々に下のレンジに広がってきているように、数年先には、フォルダブルもミドルレンジモデルに広がっていく可能性はありそうです。
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