食楽web

 先日、名古屋に住む友人が、手土産に「生ラムネ」なるお菓子を持って遊びにきてくれました。

 なんでも名古屋駅前のJR名古屋タカシマヤに先月オープンしたばかりの生ラムネ菓子専門店『ザ・ラムネラバーズ(THE RUMUNE LOVERS』というお店の商品だそうです。

2021年3月3日にオープンした『ザ・ラムネラバーズ』

 開けてみると、4つのボックスが入っていて、そのパッケージがとってもラブリーです。

 そういえば、子どもの頃、駄菓子屋で買ったグッピーラムネに描かれたウサギとリスも可愛かったよね、と友人に言うと、「間違えてる人が多いけど、グッピーじゃなくてクッピーラムネだよ」と正され、しかもその発売元である名古屋の老舗「カクダイ製菓」こそが、この『ザ・ラムネズ ラバーズ』の会社だと言うのです。

とっておきたくなる可愛いボックスで、ギフトにもぴったり

 何ということでしょう。長年、クッピーをグッピーと間違え続けていたというマヌケな事実。そして駄菓子の老舗がこんな大人向けの商品を出したなんて……。まさにダブルショックです。

左下から時計回りに「抹茶ラテ」50g 918円、「ピスタチオラズベリー」40g 810円、「ティラミス」50g 918円、「名古屋小倉バター」40g 810円

 ちなみに、『ザ・ラムネラバーズ』には生ラムネが全5種類と“ラムネドルチェ”という商品が2種類あります。

 そして今回いただいたのは、生ラムネの「名古屋小倉バター」と「ピスタチオラズベリー」、“ラムネドルチェ”の「ティラミス」と「抹茶ラテ」の計4種類。ラムネなのに、なんだか不思議なフレーバーばかり。というか、ラムネ自体が一つのフレーバーじゃなかったのか? とも思いますが、とりあえず「名古屋小倉バター」から食べてみます。

生ラムネの「名古屋小倉バター」。名古屋名物、小倉バタートーストの味をイメージしたラムネ

 ひと粒口に入れると、スーッと溶けて消えていきます。あれ、今なにか食べたっけ? と思うほどのはかなさ。でも、小豆の風味やバターのコクのような味が口の中に残る感じはします。透明感のある食感と言いましょうか。

 そこで、続けて2個をポイポイと口に入れると、やっぱりスーッと消えていきますが、今度ははっきりと小倉バターの香りと味がしました。実に高級感あふれる風味です。

 一般的なお菓子のラムネは、砂糖の甘さと人工的な香りを強く感じますが、この生ラムネは、贅沢な素材の味がします。そして、この食感は既存のお菓子では例えようがありません。

ラムネドルチェの「ティラミス」。濃厚なマルカルポーネチーズの香りとクーヴェルチュールチョコの甘みをビターなコーヒーで引き締める大人のラムネ

 続いて「ティラミス」を食べてみます。チョコレートのようにも見えますが、忘れちゃいけません、これは生ラムネです。口にすると、チョコレートのようなはっきりした存在感はなく、やっぱり雪のように消えていきます。

 粒が小さいので4粒を一気に口に入れると、おお。最初はビターなコーヒーとチョコ風味。そして後味にマルカルポーネチーズのコクも感じます。初めて食べる人は、これは本当にラムネか? と思うかもしれません。

その他、「ピスタチオラズベリー」や「抹茶」なども、口の中で溶けていく際に、贅沢な香りや味を感じます

 というわけで、今までのラムネのイメージを完全に覆す味わいと食感に、ちょっと感激しました。皆さんも名古屋に行った際には、ぜひ「生ラムネ」を買ってみてください。というか、東京や全国各地で買える日も近い気がします。今からInstagramをチェックしておくといいかもしれませんよ。

 おまけですが、私のように「グッピーラムネ」と思い込んでいる人が多い理由が、カクダイ製菓のホームページに書いてありました。要約すると、同社は昔、「エンゼルフィッシュ」のイラストでラムネを出荷していて、それを見たお客さんたちに「グッピーのラムネ」と呼ばれていたそうです。

 そこで新商品に「グッピーラムネ」とつけようとしたらしいのですが、濁点は呼びにくいということで「クッピーラムネ」にしたんですって。なるほど! でもまたついグッピーラムネって言っちゃいそうです。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:ザ・ラムネラバーズ(THE RUMUNE LOVERS)

住:名古屋市中村区名駅1-1-4 ジェイアール名古屋タカシマヤ1F
TEL:052-531-9281
営:10:00~20:00
休:ジェイアール名古屋タカシマヤの休業日に準ずる
https://www.instagram.com/theramunelovers_official/