いわゆる外交官ナンバー車による駐車違反問題に、外務省が対抗措置を講じます。「治外法権」のため、駐車違反の反則金を踏み倒すケースが相次ぐなか、取り組みにより件数は減ってきたものの、今なお駐車違反は年1000件を超えています。

駐車違反2年で約3000件減 それでもなお

 いわゆる外交官ナンバー車の駐車違反問題について、対抗措置が講じられることになりました。

 外務省は2021年4月27日(火)、駐日外交団車両のガソリン税免税措置の証明書を発給する際、駐車違反金の納付を確認することとすると発表しました。駐車違反金が未納の場合、免税措置を講じないということです。


外交官ナンバーの例。

 外交官や外交使節団には不可侵権と治外法権が認められるため、日本の刑事裁判権や租税が免除されます。この「外交特権」を背景に、青地のナンバープレートがついた駐日外交団車両(外交官ナンバー車)の駐車違反や、その違反金の踏み倒しが相次いでいます。

「国際法上、外交特権があるとはいえ、各国には国内法を尊重してほしいと従来から申し入れています。それでも違反金が支払われないケースがあります」(外務省 儀典外国公館室)

 外務省によると、外交官ナンバー車の駐車違反件数(放置車両確認標章の取り付け件数)は、2018年には3948件も上りました。そこで、違反件数や未払い件数の多い外交団の幹部職員に対し、個別に直接申し入れを行ってきた結果、2020年には1137件まで減少したそうです。

 ちなみに、警察庁が開示しているデータにおいて、違反件数が特に多い国として、中国とロシアが挙げられるといいます。外務省は警察庁と連携しつつ、駐車違反や未払いをなくすよう強く求めていく考えを示しています。