新成人もクルマ離れ? 6割超が「所有する経済的余裕なし」
2021年の新成人の運転免許証の保有率は51.3%、マイカー所有率は14.4%であることがわかった。
1月11日の「成人の日」を前に、ソニー損害保険株式会社(東京都大田区)が若者のクルマ離れの実情を探ろうと、新成人(2000年4月2日〜2001年4月1日生まれの男女500人ずつ)を対象に、カーライフ意識調査を実施した。1月5日の発表。
運転免許の取得予定を含めると80%超
2021年の新成人の運転免許証の保有率は51.3%で、調査時点で免許を持っていない人は「教習所に通学中」「取得予定」を合わせた割合は30.9%で、合わせて80%超が既得者となる。
交通安全白書(内閣府)の「運転免許保有者数の推移」をみると、免許保有者の人口に対する割合は毎年、74〜75%程度で推移。新成人の運転免許に対する行動や意識では、クルマ離れということは当てはまらないようだ。
運転免許保有者の「オートマ限定」「マニュアル」別は、前者が36.8%、後者が14.5%。この免許の種類を男女別にみると、「オートマ限定」では男性27.8%、女性45.8%と、女性が18ポイント高かった。「マニュアル」は男性23.6%、女性5.4%だった。
また免許保有率を居住地別にみると、都市部で45.1%、地方で53.6%と、地方のほうが8.5ポイント高かった。
38%が「クルマ離れ、自分にあてはまる」
全回答者に、クルマ(バイクを除く)を持っているか聞いたところ、「自分のクルマを持っている」は14.4%だった。また、「自分のクルマの購入予定あり」が9.4%、「購入予定はないが、いずれは欲しい」は44.1%で、これらを合わせ「購入予定または意向あり」の割合は53.5%だった。
マイカー所有者はまだ少数派だが、将来の所有には前向きな人が多いことが示された。「購入するつもりはない」は32.1%だった。
「自分のクルマを持っている」割合を男女別・居住地別にみると、男性では都市部は15.9%、地方は13.2%と、都市部のほうがやや高くなったのに対し、女性では都市部は7.7%、地方は18.3%と、地方のほうが高かった。
「購入するつもりがない」と回答した32.1%(321人)の人に、その理由を聞いたところ、「購入費用を負担に感じるから」(53.3%)が最多。次いで、「燃料代や修理費など、維持費がかかるから」(35.8%)、「交通事故・トラブルを起こしたくないから」(33.0%)、「クルマ以外の移動手段が充実しており、クルマに乗る必要性がないから」(29.9%)、「交通事故・トラブルに遭いたくないから」(27.7%)―― と続いた。
全回答者に「若者のクルマ離れ」への意識を聞いくと、「『若者のクルマ離れ』とは自分自身のこと」に、「あてはまる」としたのは37.8%。新成人には、クルマ離れを自覚している人が少なくないことが示された。また、「クルマを所有する経済的な余裕がない」ことについて、61.9%が「あてはまる」と回答。所有割合との対比で「クルマを持ちたいと思っていても、経済的なゆとりがないためにあきらめてしまっている方が多いのではないでしょうか」と、ソニー損保はみている。
なお調査は、2020年12月2日〜9日に実施した。
必要だが「経済的・金銭的理由」が半数以上
一方、月額定額カーリース「定額カルモくん」を運営するナイル株式会社(東京都品川区)は、東京都を除く全国の新成人を対象に、クルマに関する調査を実施。こちらの調査でも、多くの新成人が自家用車を持てないことについて「経済的・金銭的理由」を挙げている。
この調査は新成人の男女1263人を対象として、2020年12月13日〜25日に、インターネットで実施され、1056人から有効回答を得た。
調査では62.2%にあたる657人が「生活のクルマが必要」と回答。このうち、クルマを「持っている」のは440人(67%)で、217人(33%)が「必要」にもかかわらず「持っていない」と回答した。
クルマは必要だが持っていないと回答した217人に、その理由を聞くと、「お金がなく購入できない」や「自分のクルマを買えるほどの経済力がない」のほか、「維持費がかかるから」「保険の費用がかかるから」など「経済的・金銭的理由」が52.1%と5割を超える割合を占めた。