今でも通用する性能でコスパ高い! ちょっと前の隠れた高性能セダン3選
少し前に生産を終えた高性能セダンを振り返る
現在、セダン人気の低迷で、国内メーカーのセダンは減少傾向にあります。しかし、20年ほど前まではセダンのラインナップはいまよりも多く、高性能なモデルも存在。
新車で販売されていた頃は比較的高額なモデルでも、人気の下落とともに中古車価格も値ごろ感があり、しかも動力性能はまだまだ現役のセダンにも引けを取らないモデルもあります。
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そこで、ちょっと前の隠れた高性能セダンを3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「クラウン アスリート」
トヨタを代表するセダンの「クラウン」は1955年に初代が発売され、現行モデルは2018年に登場した15代目にあたり、単一車種では日本でもっとも長い歴史のあるセダンです。
これまで歴代クラウンは大きな進化を繰り返してきましたが、直近では2003年に発売された12代目で、シャシやエンジンを一新。
そして、2008年に登場した13代目ではシリーズ初のフルハイブリッドが加わったことで、大いに話題となりました。
この13代目にラインナップされていたスポーティなシリーズである「アスリート」のトップグレードには、先代から継承された3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。最高出力は315馬力を発揮し、自然吸気ながら直噴を採用することで、スポーティなフィーリングが印象的なエンジンです。
足まわりはフロントにダブルウイッシュボーン、リアにマルチリンクを採用することで、優れた乗り心地とハンドリングを両立しています。
13代目クラウンは2012年まで販売されましたが、現在、最終モデルに近い年式のアスリート3.5リッターモデルは100万円台前半の価格で狙えます。
新車価格が487万円(消費税込)からでしたから、コスパ的には相当高いでしょう。また、14代目の冠型グリルよりも控えめなデザインのフロントフェイスも好印象です。
●ホンダ「インスパイア」
1989年に、ホンダは4代目「アコード」のデビューと同時に、ひとクラス上の派生車として「アコードインスパイア」を発売。
そして1995年に登場した2代目ではアコードの名が取れ、「インスパイア」と姉妹車「セイバー」という独立した車種になりました。
その後、4代目からはセイバーが廃止され、2007年に発売された5代目がシリーズ最後のモデルとなります。
この5代目インスパイアに搭載されたエンジンは3.5リッターV型6気筒i-VTECで、レギュラーガソリン仕様ながら最高出力280馬力を発揮。
さらに、新開発の可変シリンダーシステム「VCM」を搭載し、走行状況に応じて6気筒、4気筒、3気筒での燃焼に切り替えることで燃料消費を低減しています。
足まわりはフロントにダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンクのダブルウイッシュボーンとし、可変ステアリングギアレシオ「VGR」の採用と相まって、優れたハンドリング性能を実現。
また、ミリ波レーダーによるACCや、減速のみですが追突軽減ブレーキが設定されるなど、当時の水準では高い安全性能を誇っています。
5代目インスパイアは2012年に生産を終え、現在は最終モデルでも70万円前後の価格帯で販売されています。
「レガシィ」シリーズ最後の高性能モデルとは
●スバル「レガシィB4 2.0GT DIT」
1989年に初代が登場したスバル「レガシィ」は、高性能な水平対向エンジンにフルタイム4WDを組み合わせたセダン/ステーションワゴンとして大ヒットを記録しました。
その後、コンセプトを継承しながら代を重ね、2009年に5代目が登場し、トップグレードには2.5リッター水平対向4気筒ターボを搭載して、歴代で最高となる285馬力を発揮。
そして、さらに高性能化は進み、2012年のマイナーチェンジでは、最高出力300馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した「2.0GT DIT」が加わります。
これは、BRZにも搭載されたエンジンをベースにターボ化した次世代型で、「レヴォーグ」や「WRX S4」にも採用されました。
2014年に現行モデルの6代目にバトンタッチしましたが、高性能なターボエンジンは設定されておらず、5代目がレガシィシリーズで最後の高性能モデルです。
レガシィB4 2.0GT DITの現在の相場は、先進安全技術のアイサイトを搭載した後期モデルでも150万円前後の価格帯と、かなり値ごろ感があります。
なお、レガシィB4は現行モデルをもって、国内販売を終了する予定です。
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今回、紹介したモデルは、どれも生産終了から6年から8年が経っています。日本の税制では、新規登録から13年を超えると自動車税と重量税が上がる制度となっているため、日常的に使うにはこのあたりの年式が狙い目ではないでしょうか。
また、生産終了から10年を超えると、急激に交換部品の欠品が増えるため、それよりも若いクルマをおすすめします。
一方、国産車の耐久性は高いため、登録から10年以上経っても実用に耐えますが、やはり税金の問題があり、十分な性能で価格が安価だとしても、手が出しづらい状況です。