iPhone 12(仮)は全モデル有機ELディスプレイ、イヤホンや充電器は同梱されず(日経報道)

2020年のフラッグシップiPhone 12(仮)シリーズは、全モデルが5G対応かつ有機ELディスプレイ採用との予測がこれまでも何度か伝えられてきました。大手メディアNikkei Asian Review(以下、日経)はその予測を裏付ける新たな取材記事を伝えています。

日経報道によれば、iPhone 12の画面サイズは5.4インチ/6.1インチ/6.7インチの3種類であり、全4モデル(つまり、同一サイズが2モデルある)。それら全てが5G対応で有機ELディスプレイを採用するとのこと。アップルは2017年のiPhone Xにて有機ELパネルを初採用してきましたが、全フラッグシップモデルに採用するのは初めてだと述べています。

こうした噂は有名アナリストMing-Chi Kuo氏が2019年末に述べ、最近注目を集めているリーカーJon Prosser氏も語っていたことで、目新しくはありません。とはいえ日経が世界中に張り巡らせた情報網により裏付けたことは、決して軽くない意義があります。

数千万台も生産されるiPhoneのディスプレイが液晶から有機ELに切り替えられるインパクトは甚大と予想され、なかでもアップルへの液晶販売が収益の約6割を占めるジャパンディスプレイ(JDI)にとっては打撃とされています。

台北本拠のリサーチ会社TrendForceのアナリストは「アップルは競合他社がすでに有機ELディスプレイに切り替えているので、そちらに目を向けるしかないし、その技術シフトは全てのサプライチェーンに大きな影響を与えるだろう」とコメント。ただし、より廉価な製品で液晶を採用し続ける可能性が非常に高いため、(JDI)が即死することはないとも述べています。

また日経は、2020年内に発売予定の新型iPhoneやiPadには充電器が同梱されず、完全ワイヤレスイヤホンAirPodsを売り込むために有線イヤホンも付属させないという情報筋の話も伝えています。少しコストを下げるのも理由の1つではあるが、最大の理由は「既存のiPhoneユーザーの多くが、過去数年間にすでに複数を持っているから」とのことです。

今後のiPhoneには(現行のiPhone SE(2020)を含め)有線イヤホンと充電器が同梱されないとの予測も、すでに囁かれていたこと。とはいえiPadにまで充電器がついてこないとの噂は、おそらく今回が初出でしょう。

日経はサムスンが有機ELディスプレイ市場で74%のシェアを持つこと、アップルがサムスンへの依存を減らすためにiPhoneの有機ELサプライヤーとして中国BOEを加えようとしている周辺事情も伝えています。アップルが今後の製品にミニLEDディスプレイを搭載しようとする動きも観測されていましたが、そちらもサムスンに命綱を握られることを避ける意図がありそうです。

Source:Nikkei Asian Review

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