安全に乗るためには定期的にクルマをチェックすることが大切

 買い物にデートにと、いろんな場所へ連れていってくれる、便利なクルマ。あなたは運転席に座る前に、何をしていますか? 「とくに何もしていない」という人は、要注意です。いつも快調に走ってくれているからと、安心しきっているかもしれませんが、クルマには走行距離や時間の経過、天候の変化などで劣化・消耗していく部品が多く使われていて、それらを定期的にチェックして交換していくことが、クルマを安全に乗るために欠かせないことなんです。

 とはいえ、女性や機械いじりが苦手な人は、そう言われても腰が引けてしまうかもしれませんね。せっかくオシャレしたのに、出かける前に点検なんてしたら汚れてしまうのでは? 何か特別な道具が必要だったり、力がないとできないのでは? なんて不安もあるかもしれませんが、大丈夫。ペットのお世話をするような感覚で、「見るだけ」「触れるだけ」でも点検はできちゃいます。今回はそんな、お出かけ前にサッとできる点検と、女性でも力がなくても簡単にできるメンテナンスをご紹介します。

1)エンジンルームの点検

 まずは、エンジンルームの点検です。ボンネットを開けたこともない、という人も多いかもしれませんが、たいていは運転席のペダルがある奥の方に、ボンネットを開けるレバーやスイッチがあると思います。そこを押すと(引くと)、ガチャッと音がしてボンネットが少し浮きます。その後、ボンネットの中央の金具を指で外してあげると、全開になります。

 最新のクルマはエンジンルームの多くがカバーで覆われていたりして、なかなか素人が手を入れにくい状態になっていますが、ここで最低限チェックしたいのは3つです。

 1つ目はウインドウォッシャー液の量。これが減っていたりなくなっていると、砂埃や泥水などでフロントガラスが汚れて視界が悪くなったとき、いざきれいにしようと思ってもウォッシャー液が出なくて危険につながってしまいます。窓の絵が書いてあるキャップを見つけて、定量までウォッシャー液が入っているかを確認しましょう。

 もし季節が冬で、気温が3度以下になりそうな時なら、凍結しない寒冷地用のウォッシャー液を入れておくことをオススメします。

 2つ目はバッテリー液の量です。とくに車検から時間が経っていたり、長期間乗っていなかった場合などは、液が減っているかもしれないのでしっかり確認してください。バッテリーのケース側面に、上限と下限の線が引いてありますので、液面がその間にあればOKです。

 もし減っている場合は上面の穴からバッテリー液を補充するか、販売店などに連絡して補充だけでなく電圧計測などもやってもらうと安心ですね。

 そして3つ目は、エンジンオイルの量。雑巾を用意してから、スティックが刺さっている穴があるので、そのスティックを抜いて先端に付着したオイルを一度拭き取ります。再び穴にスティックを刺し、抜き出して先端に付着したオイルの色、粘度をチェック。スティックにある定量線のところまで付着していて、オリーブオイルのような色でサラリとしていれば問題ないので、拭き取ってスティックを戻します。

 もし量が足りなかったり真っ黒になっていたり、ネバネバとしていたら、なるべく早くオイル交換を。ガソリンスタンドやカー用品店などでも短時間でやってくれますよ。

初めて作業する人でも簡単に交換できるものも!

2)タイヤとライト類のチェック

 さて、エンジンルームの点検が終わったら、次はクルマまわりです。ここではタイヤとライト類をチェックしましょう。まずタイヤは空気圧が規定通りに入っているか。自分で手軽にチェックできる道具がない場合は、ガソリンスタンドでお願いしましょう。規定の空気圧はドアを開けた側面や、取扱説明書に記載してあるので覚えておくといいですね。そして溝の深さ、亀裂や釘などが刺さったりしていないか、タイヤの状態も確認しましょう。

 ランプ類は、汚れや傷がないかどうかはもちろん、いちばん大事なのはブレーキを踏んだ時にちゃんと点灯するかどうかです。誰かもう1人いれば簡単に確認できますが、自分1人の場合は窓ガラスや壁などに映して確認する方法もあります。

3)警告灯や異音、異臭の確認

 さぁ、あとは運転席に座って、いつもと違うことがないかどうか、確認すれば点検はOKです。エンジンを始動して、警告灯などはついていませんか? 異音や異臭はしませんか? 何か気になることがあったら放置せず、販売店やカーショップなどに相談しましょうね。

 こうして点検が板についてきたら、ぜひ簡単なメンテナンスにも挑戦してみましょう。女性やクルマに不慣れな人でもトライしやすいのは、ワイパーブレードの交換やエアフィルターの交換です。ワイパーブレードはゴム製品なので、劣化しやすい部分です。ワイパーを動かしてみて、ゴゴゴと変な音がしたり、引っかかるような不自然な動きになっていたり、雨の拭き残しが多くなってきたら、交換のサイン。カー用品店のワイパーブレード売り場に行くと、たくさんの種類があって迷ってしまうかもしれませんが、車種ごとに合う商品ナンバーが記載されているカタログがあると思うので、それを見て選べば簡単です。交換方法もパッケージに書いてあるので、初めての人でも10分もあれば終わる作業です。

 そしてエアコンフィルターは、外から取り込んだ空気をきれいにして車内に取り込むために欠かせない部品です。花粉やPM2.5、黄砂などで想像以上に汚れやすく、小さな虫や葉っぱなどが詰まっている場合もあるので、1年に1回は交換すると安心。こちらもいろんな種類がありますが、車種に合った商品をチェックして選びましょう。

 交換手順も車種によって違いますが、多くのクルマはグローブボックスの奥に入っており、それを取り出して新しいものを入れるだけの作業で、これはものの5分で終わるでしょう。交換後はエアコンをオンにすると爽やかな風が出てくるようで、気分もスッキリです。

 というわけで、女性や機械いじりが苦手な人でも簡単にできる点検&メンテナンスをご紹介しましたが、これなら私にもできそう! と思っていただけましたでしょうか? 少しずつでもいいので、愛車の様子を見てあげて、触れてあげることで、いつも安心して走れるだけでなく、だんだんと愛車が文字通り「愛おしい」クルマになってくると思います。機械とはいえ、手をかけてあげればあげるほど、クルマはいい状態が保てるもの。尻込みせず、ぜひトライしてみてくださいね。