【前園真聖コラム】第294回「見ていて鳥肌が立った過去の名勝負」
試合ができないということで、日本サッカー協会やJリーグは、過去の名勝負をYouTubeなどで公開しています。自宅にいる時間が長いこの際、知らなかったり、思い出せないでいた試合をもう一回見て楽しむというのもいいかもしれません。
僕ももう一度見たい試合があります。それは1986年メキシコワールドカップ……と言えばピンと来る方も多いでしょう。この大会はマラドーナの、マラドーナによる、マラドーナのための大会でした。
この大会の名勝負と言えば、準々決勝のアルゼンチンvsイングランドを挙げる方が多いと思います。マラドーナが「神の手」を使って先制点を奪い、その4分後に5人抜きで追加点を挙げた試合です。あるいは決勝戦のアルゼンチンvs西ドイツで、決勝点をマラドーナがアシストしたというのもハイライトシーンでした。
ですが、僕が見たいのは準決勝のアルゼンチンvsベルギーです。この試合でもマラドーナは大活躍を見せました。51分、スペースがないの中でちょこんとボールを浮かせ技有りのゴールを決めると、63分、ドリブルから追加点を挙げます。
このドリブルの得点に僕は痺れました。トップスピードを緩めずカットインし、4人を抜くと踏み込まずにそのままの姿勢から逆サイドに速いシュートを決めたのです。
ちょっと専門的になりますが、普通はこのようなドリブルシュートは、タイミングを合わせるために踏み込むか、あるいは腰が砕けてボールを吹かすか、ゴロゴロと弱いボールになってしまうのです。運良くライナーでボールを蹴り込めたとしても、大体の選手はそこで体勢を崩して倒れてしまいます。
ところがマラドーナは倒れそうになっても持ちこたえ、そのまま走ってガッツポーズを取っていました。その常人離れした一連のプレーに鳥肌が立ったのを今でも覚えています。
また当時は、カール・ハインツ・ルンメニゲやミッシェル・プラティニ、ジーコ、ファルカンなど各国にスーパースターが揃っていました。20年以上前の大会ですが、今見ても色あせることはないでしょう。どこかで過去のワールドカップも放送してくれないか、期待しています。
僕ももう一度見たい試合があります。それは1986年メキシコワールドカップ……と言えばピンと来る方も多いでしょう。この大会はマラドーナの、マラドーナによる、マラドーナのための大会でした。
ですが、僕が見たいのは準決勝のアルゼンチンvsベルギーです。この試合でもマラドーナは大活躍を見せました。51分、スペースがないの中でちょこんとボールを浮かせ技有りのゴールを決めると、63分、ドリブルから追加点を挙げます。
このドリブルの得点に僕は痺れました。トップスピードを緩めずカットインし、4人を抜くと踏み込まずにそのままの姿勢から逆サイドに速いシュートを決めたのです。
ちょっと専門的になりますが、普通はこのようなドリブルシュートは、タイミングを合わせるために踏み込むか、あるいは腰が砕けてボールを吹かすか、ゴロゴロと弱いボールになってしまうのです。運良くライナーでボールを蹴り込めたとしても、大体の選手はそこで体勢を崩して倒れてしまいます。
ところがマラドーナは倒れそうになっても持ちこたえ、そのまま走ってガッツポーズを取っていました。その常人離れした一連のプレーに鳥肌が立ったのを今でも覚えています。
また当時は、カール・ハインツ・ルンメニゲやミッシェル・プラティニ、ジーコ、ファルカンなど各国にスーパースターが揃っていました。20年以上前の大会ですが、今見ても色あせることはないでしょう。どこかで過去のワールドカップも放送してくれないか、期待しています。
1973年生まれ。横浜フリューゲルス、ヴェルディの他、ブラジルなどでプレー。アトランタ五輪では、主将として28年ぶりに五輪出場を決めた。2005年引退後は解説の他、少年サッカー普及に従事。2009年、ビーチサッカー日本代表としてW杯に出場。ベスト8に貢献した。