中国メディアは、中国のある輸入業者がマスクの買い付けのために日本を訪れたことを紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 新型肺炎の広がりを受け、日本ではマスクの品薄が深刻になっているが、中国でも多くの地方でマスクの売り切れ状態が続いている。こうした状況のなか、中国メディアの上観は2日付で中国のある輸入業者がマスクの買い付けのために日本を訪れたことを紹介する記事を掲載、マスクの買い付けは「想像を絶するほどの騒動だった」と振り返ったことを紹介した。

 記事は、食品や家庭用化学製品の輸入を本業とするある中国企業の関係者の経験を紹介。武漢が封鎖された翌日の1月24日、この企業に対して日本からマスクを買い付けるよう政府の関連部門から依頼があったという。当初、この関係者は「マスクを輸入した経験はないが、たかがマスクだ」と考えて快く承諾したそうだ。

 しかし、予想に反してマスク買い付けは「想像を絶するほどの騒動だった」と表現。どのようなマスクが新型コロナウイルスの感染拡大防止に効果があるかについて、当初は売る側も買う側もさっぱり見当がつかず、そのためこの中国企業の関係者は依頼を受けた当初は日本のメーカーに家庭用の「花粉用マスク」を50万枚注文してしまったという。

 必要なマスクの種類が明確になった後も、ネット上では家庭用マスクの販売チャネルしか見つからず、医療用物資の販売チャネルは一般社会に対して公にはされていないため探すのが非常に厄介だったと説明。また、医療用マスクを探す時に日本語のみならず、医療専門用語という巨大な壁にぶつかり、この種のマスクを生産している日本企業を探すのに非常に多くの時間を費やしたと伝えた。

 さらに、この中国企業の関係者は部下と共に日本に直接出向いてマスク買い付けに奔走し、車のトランクに大量の現金を詰めてマスク製造工場に出向き在庫を買い付けるという方法を用いたが、交渉時に現金が足らないと言われれば部下に必要な額の現金をすぐに持ってこさせたと紹介。しかし、時には別の業者によってすでに買い占められていたという場合もあったと説明した。

 また、マスク購入後に中国に向けて発送するために訪れた物流会社の営業所では、書類に必要事項を記入した後に3ー4時間も列に並ぶ必要があったと紹介。これは多くの中国人がマスク等を中国国内に届けるため列に並んでいたためだったと伝え、おそらく営業所側が徹夜で残業しても処理しきれないほどの量が持ち込まれていたと紹介し、マスクの買い付けのために訪れた日本で「想像を絶するほどの騒動に直面した」と振り返った。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)