パブリッシャーと広告主は、いずれもアフィリエイトコマースの拡大を目指し、アフィリエイトネットワークのアトリビューションツールを利用して、広告主から得る手数料の増額を主張し、閲覧がクリックにすぐにつながるわけではなくても、コンテンツを閲覧した顧客から手数料を手に入れつつある。

たとえば、BuzzFeedは、ビュースルーアトリビューションを考慮に入れるコマースキャンペーンを構築できそうな、サードパーティのアトリビューションソリューションをいくつか調べている。実現すれば、コンテンツを閲覧後に掲載製品を購入した人々の分の手数料がBuzzFeedに支払われるようになる。Business Insider(ビジネスインサイダー)では、アフィリエイトネットワークが提供するマルチタッチアトリビューション製品のおかげで、アフィリエイト広告主からの追加収益がより顕著に増加している。

「コンテンツパブリッシャーにとっての主な課題は、我々が通常、(ソーシャルを通じて発見を促している場合は特に)消費者の購入プロセスの出発点にいることだ。だから、ラストクリックアトリビューションで勝利を得る可能性はかなり低い」と、BuzzFeedでコマース担当シニアバイスプレジデントを務めるニラ・アリ氏はメールに書いている。

フルファネルで利用が可能に

ラストクリックアトリビューションは依然として、アフィリエイトネットワークの原動力となる通貨だが、一部のネットワークは数年前に、エコシステム内のさまざまなパブリッシャーが貢献した価値をもっと明らかにするために、アフィリエイト予算の分散を可能にし始めた。たとえば、4年前には、マーケティング技術企業のインパクト(Impact)が、製品購入プロセスで顧客が定期的にコンテンツを閲覧するパブリッシャーに対して、広告主が「貢献度ボーナス(contribution bonus)」を支払えるツールの提供を開始した。

同じ期間に、多くのアフィリエイトネットワークが、ソーシャルメディアでのインプレッションやアフィリエイトリンクを含む投稿の割合といった、参加するパブリッシャーに関する情報のレイヤーを追加し始めた。

さまざまな広告キャンペーンに役立つかもしれない分析をそのように利用できるおかげで、エージェンシーとマーケターは、認知度向上と販売の両方にアフィリエイトキャンペーンを利用するようになる、と CJアフィリエイト(CJ Affiliate)で製品マーケティング担当バイスプレジデントを務めるニコール・ロン氏はいう。それに、アフィリエイトなどのマーケティング投資がさらに複雑に絡み合うようになるので、アフィリエイトマーケティングは長年にわたるサイロ化から脱し、アフィリエイトマーケティングに関する人々の考え方も変わってきた。

「他の部門別予算がアフィリエイトに回される傾向が見え始めている」とロン氏は指摘する。

統合が進む関連ベンダー

一部のアフィリエイトネットワークは、広告主やパブリッシャーのさまざまな需要に対応して、マルチタッチアトリビューション製品を追加してきた。アフィリエイトネットワークのアウィン(Awin)は夏に、英国拠点のアトリビューションベンダー、シングルビュー(SingleView)と独占的な関係を結んだと発表した。アウィンは、「シングルビュー(SingleView)」をサブスクリプションアドオンとして広告主とパブリッシャーの両方に販売する。ペッパージャム(Pepperjam)は今年、自社のレポーティング技術を見直し、昨年末頃に導入したオプション「パブリッシャー向け優先的パートナー指定(preferred partner designation for publishers)」を広告主が作成しやすくした。優先的パートナー指定は、最初か最後かに関係なく、プロセスで行われるあらゆる販売について手数料を受け取れることを保証するものだ。

そのような統合以来、広告主はプラットフォームでのアフィリエイト予算の使い方を変えてきたと、アウィンでパブリッシャーサクセスマネージャーを務めるクリストファー・フロックケア氏は話す。

インサイダー(Insider Inc.)のコマース担当バイスプレジデント、ブルトン・フィスケッティ氏は、「インサイダー・ピックス(Insider Picks)」のコンテンツが影響して広告主の投資を呼び込んでいることに満足しており、来年はもっと多くのブランドがそうし始めると見込んでいると述べた。

多元的パッケージの登場

コマースがメディアのなかでそれほどサイロ化されていない部分になってくるなかで、パブリッシャーは、より広範かつ手の込んだ販売パッケージへのコマースの統合を押し進め始めた。BuzzFeedは今秋、多元的パッケージに重点を置くため、営業チームを再編した。このパッケージには、ブランデッドコンテンツ、プログラマティックディスプレイ広告、コマース関連コンテンツの組み合わせが含まれる可能性がある。

だが、そのように複雑さを増すと、ブランドはさらに細かい点に注意を払う必要があり、すべての広告主に関心やそれを行うことへの余力があるわけではない。「ブランドはこれを行いたいと思っている」と、インパクトの共同創業者であるトッド・クロフォードはいう。「パイを大きくしたいのだ。だが、他のことと同様、そうするのに多くの時間を費やしたいか、あるいはそうではない、ということだ」。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)