名古屋っ子の給食にエビフライが復活?(写真はイメージ)

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「名古屋なのにエビフライがない」「質素過ぎる」と言われてきた名古屋市の小学校給食が、2020年4月から変わることになりそうです。

 食材費高騰の中、給食費を10年間据え置いて献立の工夫でしのいできましたが、市教育委員会は昨年12月、給食費を月額600円値上げして月4400円にする方針を市議会に説明。正式決定すれば、名古屋名物のエビフライが年間ゼロ、デザートの回数も半減していたという現在の状況が、新年度から変わりそうです。市教委の担当者に聞きました。

デザートは10年前から半減

Q.小学校の給食費と食材費の動向について教えてください。

担当者「現在の給食費は月額3800円ですが、4400円への改定を考えています。暦の関係で一概にはいえないのですが、1食当たりだと大体228円から264円へ36円くらい値上げするイメージです。

給食費は2009年4月から3800円で据え置いてきました。その間、消費税率が5%から8%に上がり、食材費も高騰しています。総務省の消費者物価指数を見ても、2009年と比べて10ポイントくらい上がっていて、さらに上昇傾向にあります」

Q.給食について、保護者から「質素過ぎる」との声があったというのは事実でしょうか。

担当者「アンケートをした中で『おかずが質素に感じるので充実させてほしい』という意見はありました」

Q.かつては2カ月に1回だったエビフライが、直近では年間ゼロになったというのは事実でしょうか。

担当者「2009年度は年間6回出せていましたが、2018年度は一回も出せていません。ゼロになりました。デザートも、2009年度の83回から2018年度の41回と半分以下に減りました。一方で、比較的安価で栄養価が高い食材を多く使って、献立を組み立てるようになりました」

Q.給食費値上げの理由と保護者の反応を教えてください。

担当者「10年間、給食費をずっと維持してきましたが食材費が高騰する中、高い食材を控えてエビフライを減らしたり、デザートを減らしたり、安い食材に切り替えたりしてきたわけですが、今後も食材の上昇傾向が続きそうなので、給食費の維持が難しくなってきました。そこで、給食費の改定を考えさせていただきたいと議会に説明しました。

給食費は食材費に全額使っているので、保護者に払っていただいたものが、そのまま食材にはねかえる形です。保護者からは『子どもには充実させたものを食べさせたいので 値上げしてもよい』という声もありますし、『価格を維持してほしい』という声もありました。抽出アンケートでは『やむをえない』という声が70%、『維持してほしい』が30%でした」

Q.値上げによって、エビフライは復活するのでしょうか。

担当者「2009年度の水準に戻して、それ以上充実させたいと考えていますので、回数ははっきり言えませんがゼロということはないと思います。デザートも80回以上出したいと考えています。実際には、献立内容で変わってきますが、2009年度の水準以上には充実させたいと思っています」

Q.値上げで、その他の食材やメニューにどのような変化がありそうでしょうか。

担当者「高い食材で使えていなかったものが使えます。同じ栄養価を取るにしても、バラエティーに富んだ食材を使えると思います。いろいろな献立から、子どもたちが栄養を取れるようにしたいと思います」