2018年後半、Facebookのニュースパートナーシップ部門を率いるキャンベル・ブラウン氏は、耳を傾けるニュースパブリッシャーに向かって、パブリッシャーはビジネスプランや戦略における主要な役割をFacebookに頼るべきではないと語った。

にもかかわらず、パースリー(Parsely)のデータによると、Facebookは2019年の大半、パブリッシャーがもっとも期待できる参照トラフィックの入手元のひとつとして機能してきたという。2番目に大きいオンライン参照トラフィック源であるFacebookの利用は、2019年の年初から11カ月間にわずかながら増加した。これは主に、Facebookがパブリッシャーに提供した参照トラフィックの月ごとのばらつきが大幅に減少したことによる。

「信頼できるパートナー」

Facebookからの参照の絶対数の月ごとのばらつきの平均はほぼ一定に近づいていて、標準偏差は0.04%アップして8%(8%増から8%減の範囲)になっている。このばらつきは、2018年はじめにFacebookが発表し、広く公表されたパブリッシャーコンテンツの優先順位低下にも関わらず、パースリーが昨年図解した月間平均増加率の2% から低下している。だが、2018年全体の成長は、特に上半期については、不安定さを伴っていた。パースリーが2018年に記録した標準偏差は12%(-10%から14%)だった。2017年の変動幅は-13%から7%増で、月毎の平均変動は-3%だった。

ゆっくりだが着実に、は魅力的な表現ではない。だが、何年にもわたって参照トラフィックの激しい増減を経験した後、パブリッシャーの多くは、インターネットで2番目に大きい参照トラフィック源が不快な驚きを提供しなくなったことを喜んでいる。

政治ニュースのパブリッシャー、ザ・ヒル(The Hill)の最高経営責任者(CEO)を務めるジェームズ・フィンケルスタイン氏はこう話す。「この時点では我々は、Facebookは適正かつ信頼できるパートナーだと見ている。Facebookがより一層、一貫性のあるものになってくれて嬉しい」。

着実な成長は続いている

安定に向けたこの傾向は、実際には2018年8月にはじまった。ニュースフィード内でのパブリッシャーコンテンツの優先順位を下げると発表した6カ月後のことだ。発表直後は参照トラフィックの急激な減少を感じたパブリッシャーが多かった。この減少はいくつかのメディア企業の命を奪った。

予測不能の増減が6カ月続いたが、Facebookのトラフィックは2018年8月に比較的安定しはじめた。全体として、パースリーのネットワーク内でFacebookがパブリッシャーに送った参照トラフィック数は2018年に14%増加した。

現在、Facebookの参照トラフィックは2017年の全盛期にははるかに遠く及ばないものの、着実な成長は続いている。パースリーの上級データアナリストであるケルシー・アレント氏は、「現状を鑑みて、(以前のレベルに)戻りたいとは思わない」と述べる。

規律ある投資が理由のひとつ

パブリッシャー各社はその間に、Facebookというプラットフォームの別の使い途を見つけてきた。直近ではいくつかのパブリッシャーが、読者と読者と見られる人を対象に、コマース関連コンテンツの配信とさまざまなサブスクリプション製品の提供を目的に、Facebookでの支出を増やしている。

費用をかけることをいとわないことがこの安定の理由のひとつだと、マーケティングコンサルティング会社シルバーサイト・コンサルティング(SilverSight Consulting)の創業者であるリー・シルバー氏はいう。各パブリッシャーの過去のFacebook戦略はグロースハッキング戦術に基づいたものだったが、現在は規律ある投資に根ざしている。

「Facebookに一貫性が出てきた理由は、ずっと容易に無料で人々にリーチできた頃に戻ったからだ。(一定の人気記事を)毎月、毎週投稿でき、それがトラフィックをもたらす原動力になっていた。いまは費用を支払っているところが多いので、トラフィックはより少なくなったところで落ち着いている」とシルバー氏は話す。

ここで紹介した事例は、Facebookを重要なトラフィック源に変えるためにパブリッシャーがやった細工の一部だった。アレント氏は「これが、いままで使ってきたグロースハッキング戦術を止めるよう我々の目を覚まさせる大転換だったとは思いたくない」と述べた。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)