Facebookは10月最後の週末、動画のオーガニックビューをカウントし損ねた。パブリッシャーや個人の動画クリエイター、マーケターはこの障害を、Facebookの動画プラットフォームがいかに初期段階にあり、しかもトラブルに弱いかを象徴する出来事と見ている。

Facebookが動画パブリッシングツールと解析ツールに掲載した注意喚起文を見た各企業が、米DIGIDAYと共有したスクリーンショットによると、太平洋時間の2019年10月25日午後1時から10月28日午前1時のあいだ、Facebookは動画のオーガニックビューをカウントできなくなった。この技術的トラブルの影響を受けたのは、動画のオーガニックビューのカウントだけで、動画配信や動画への広告挿入には影響はなかった。

Facebookのクリエイターならびにパブリッシャーエクスペリエンス部門を率いるジェフ・バーグランド氏は、電子メールの声明で次のように述べた。「10月25日、動画のオーガニックビュー指標の記録が一時不能となり、データロギングの問題が発生した。この問題によって、広告挿入による売上、配信、インプレッション、エンゲージメント、有料の指標、インスタグラム(Instagram)の指標、アド・マネージャー(Ads Manager)の指標への影響はなかい。我々は、我々のパートナーが正確なレポートを頼りにしていることを承知している。今回の出来事を重く受け止め、我々のチームはこうしたことが2度と起きないよう取り組んでいる」。

直接的な影響は少ない

パブリッシャーやクリエイター、エージェンシー幹部によると、このトラブルの直接的な影響はかなり少ないと見られている。トラブルの結果、パブリッシャーやクリエイターが売上を失うことはなかった。一方マーケターは、Facebook上でのオーガニックリーチの獲得をほとんど諦めねばならなくなったが、数日分の計測されなかったビューの価値が、オーガニックビューのカウント全体に大きなインパクトを与えることはなさそうだと、複数のエージェンシー幹部はいう。

しかし、障害が2日以上続いたことを考えると、企業やクリエイターの動画のパフォーマンスがどう判断されるかについて、間接的にせよ長期的な影響がありそうだ。さらに、今回の出来事は、信頼性についての懸念の一因となるFacebookの動画プラットフォームに関する一連の技術的問題の最新版となる。あるクリエイターは、「(人々に計測トラブルを通知する)メッセージを見て、笑ってしまった。もう何カ月も前からバグっていたようだったから」と話した。

障害発生は、奇しくもハロウィーン前の最後の週末だったが、このタイミングで公開された番組のエピソードやブランデッド動画キャンペーンのオーガニックパフォーマンスは、レポートの差を考慮しておく必要があるだろう。これはまた、10月のFacebook動画のオーガニックビューの月間カウント数の評価や、前月との比較にも影響するだろう。

プラットフォームへの不安感

数えられなかったオーガニックビューをFacebook側で回復することはできないので、どれほどの動画のオーガニックビューがカウントされていないのかを知る方法はないが、各企業は、失われたビューの数を説明するために、過去のパフォーマンスをもとにビューを推計しようとしている。米DIGIDAYの11月5日付けの記事のなかで、ファースト・メディア(First Media)のプレジデントであるシャロン・レヒター氏は、Facebookの技術的欠陥のせいで、同社の10月のオーガニックビューは実質1億回以上失われていると主張した。レヒター氏が言及したことが10月25日〜28日に発生したトラブルについてのことだったかどうかを電子メールで問い合わせたが、この記事の発行までに回答は得られていない。

このトラブルにより、特にマーケターのあいだでは、プラットフォームが提供する計測数値に関する不安感が広まっている。「マーケターは、予測される結果に基づいて意思決定をするが、そうした結果が暗黙的に示すデータが信用できないとしたら、また新たな精査の手段が必要になることは確実だ」とあるエージェンシー幹部は話す。

特に、Facebookの動画プラットフォームは、トラブルが起こりやすいという評判が立っている。Facebookの計測トラブルの歴史は2016年9月にまで遡る。2年ものあいだ、動画の平均視聴時間を間違って計算していたことが発覚したときだ。この不手際を受けて広告主のグループがFacebookを相手取り訴訟を起こし、2019年10月にFacebookが和解に応じることで訴訟は終了した。

「クリエイター・スタジオ」にも

今回の問題は計測以外のところへも広がっている。2019年初頭、クリエイターたちは米DIGIDAYに対して、2019年度の第1四半期、Facebook動画へのリーチに影響するバグが存在していたと語った。動画の視聴率やそこからもたらされる売上にマイナスの影響があったという。Facebookの動画パブリッシングツール「クリエイター・スタジオ(Creator Studio)」も同様に、クリエイターやパブリッシャーにとってはフラストレーションのもとだ。6月と7月にはクリエイター・スタジオで一連の障害が発生し、一定期間完全に機能を停止したことを米DIGIDAYはすでに報じている。

Facebookの動画プラットフォームのメディア幹部のひとりはこう話す。「バグはいつでも存在する。我々は常にそれに対応している」。

Tim Peterson(原文 / 訳:ガリレオ)