早めに交換することで新車時の乗り味が戻ってくる

 クルマというのは消耗品の塊と言っていい。走ればもちろん、駐車しておくだけでも消耗は進み、交換時期を迎える。これに合わせて交換や調整をするのがメンテナンスという行為だ。そもそも交換時期はどうやって決められるかというと、完全に使えなくなる時点までの時間と走行距離に、安全マージンを加えたものとなる。

 そのため、すぐに交換しなくてはならないものもあるし、消耗しつつも結局のところ、廃車まで一度も交換しなかったというものも出てくる。しかし、問題はなくても消耗しているのは事実で、交換時期ではなくても交換することで初期状態に戻り、シャッキリ感を体感できるものもある。クルマ好きの自己満足的なところもあるが、今回は体感できるポイントを紹介しよう。

1)ショックアブソーバー

 内部に入っているオイルの流れによって減衰力を出しているのだが、これがヘタる。ヘタるとフワフワになってきて、乗り心地が悪化してしまう。ちゃんと性能を確保できているのは5000kmまでという説もあるほどで、走る以上は劣化は避けられない。早めの交換で乗り味が戻り、体感度も高い。

2)ブッシュ

 サスペンションやステアリング系のジョイント部分に入れられているのが、ゴムのブッシュだ。人間でいうところの関節なのだが、ゴムだけに素材の劣化、変形は避けられない。交換しないとゴムが割れて飛び出たりと悲惨な感じになることも。

 パーツ自体は安いが、サスペンションを外さないとダメなので交換工賃が高いのがネック。手間のかからないところだけでも交換すれば効果は得られる。ショックアブソーバーも同じだが、劣化は徐々に進むので気がつきにくいが、交換すると体感度は大きい。

3)エンジン&ミッションマウント

 かなりの重量があるエンジンとミッションを吊ったり、支えているのがマウントだ。エンジンとミッションは合体しているので、ストレスは相当のもの。こちらもゴムだけに変形、切れや割れなどは避けられず、交換することで、加減速時のぎくしゃくが減ったり、音が静かになったりもする。

交換指定がギリギリなものも多いためケチらず早めに交換したい

4)スパークプラグ

 今や10万km無交換が純正指定では当たり前だが、やはり消耗は確実に進むパーツだ。実際に5万kmを超えたものを外して見てみると相当消耗していて、10万kmでぎりぎりだなといった感じ。最近のエンジンは交換するのにも手間がかかることがあるが、費用的には安いものなので、交換するのも負担は少ない。

5)油脂類

 エンジンオイルは交換するけど、そのほかは交換していない人も多いだろう。また、オートマチックトランスミッションに使われるATFは長いもので10万km無交換だったりするが、実際はかなり消耗していて、メーカーによっては変速不良などのトラブルが出ることも多い。量販店やガソリンスタンドで見るような、2万km毎でなくてもいいので、4〜5万km毎に交換するといいだろう。

 そのほか、今はもう採用されていないが、油圧パワステのフルードも交換するとステアリングが軽くなり、効果を体感できる。

6)エアクリーナー

 交換指定がかなりギリギリな感じがするのがエアクリーナーだ。指定まで使っているとかなり真っ黒で詰まり気味なこともある。安いものだし、自分でも交換できるので、汚れが目立ってきたところでケチらずに新品にする。燃費などの改善につながることもある。