今宵もやって参りました13日の夜。そして折しも金曜日。

B級映画と廃墟をこよなく愛するやすゆきがオススメのホラー映画を独自のカテゴリでご紹介。

楽しい夏休みも終わり、少し憂鬱な気分になりがちな季節ですが、そんな皆さんの次なるモチベーションと言えば9月のシルバーウィークですよね。今年は3連休が2週に渡って続き、秋の夜長に映画やドラマを楽しむには打ってつけ。

シルバーウィークの中の祝日のひとつに、敬老の日があります(まさにシルバー!)。今年は9月16日(月)が敬老の日。その制定の由縁は、私たちが暮らすこの社会で長年に渡って活躍されてきた人生の先輩たちに対し、敬意と感謝を伝えると共に、その長寿を祝うという目的で1966年に祝日となりました。

さて、お年寄りと言えば「穏やかで優しい」なんてイメージが強いですが、実はホラー映画界では時に強烈なインパクトを放つ恐怖の老人が登場する作品が存在します。

というわけで、本日は敬老の日を迎える前に、わたくしオススメの老人ホラー映画5選をご紹介いたします。

『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』(2014)

アルツハイマーの老婆デボラと彼女を介護する娘サラ。そんな二人のドキュメンタリー映像を撮影するため、3人の撮影クルーがデボラの自宅へ取材に訪れる。不安定な心理状態が続くデボラではあったが、取材は順調に続けられた。しかし次第にデボラはアルツハイマーとは到底思えない不可解な行動を始め……的な作品。

最初は物腰の柔らかい印象のデボラが、次第に狂人へと変わりゆく様はまさに恐怖の一言。また撮影隊目線で展開されるモキュメンタリーの表現手法も、より一層作品に緊張感を持たせ、息つく暇もない極上のホラー映画に仕上がっています。

『グッド・ネイバー』(2016)

少年イーサンの家の向かいには、少し不気味な老人ハロルドが住んでいた。そのハロルドを対象にイーサンと友人のショーンはある実験を行うため、彼の留守を見計らい自宅に隠しカメラを設置した。そして超常現象に似せたイタズラを次々と仕掛け、ハロルドの反応を観察した。しかしハロルドは二人が想定できない行動を取り始め……的な作品。

本作は二人の少年が老人にイタズラをして観察するというのがメインストーリーですが、なぜか途中途中で裁判のシーンが展開されます。この裁判が何を意味するのか、彼らの間に何が起きたのか。しっかりとしたホラー要素もありながら、どこかミステリアスなストーリーに最後まで展開の読めない作品です。

『スペル』(2009)

銀行の融資窓口を務めるクリスのもとに一人の老婆がやってきた。彼女は住宅ローンの返済を遅らせて欲しいと申し出るが、既に何度も支払いを延滞していることから、この条件を受理することができなかった。そんな老婆に同情を寄せるクリスであったが、上司からの圧力もあり彼女を無理やり追い返すことに。しかし、クリスに恨みをもった老婆は彼女に呪いをかけ……的な作品。

『死霊のはらわた』や「スパイダーマン」シリーズなどでもお馴染みのサム・ライミが監督を務めた本作。観客が恐怖するポイントがしっかりと抑えられており、ホラー映画として、とても満足度の高い作品です。不気味な老婆の嚇(おど)かし方はハンパじゃないです。

『ゲヘナ』(2016)

リゾートホテル開発のため、サイパンを訪れたポリーナ。現地のスタッフと共に建設予定地を調査していると、戦時中に使われていた防空壕を発見する。薄暗い中に入るとそこは古びた軍施設となっており、そして白骨化した謎の死体があった。さらに奥の部屋へと進むポリーナたち。そこには痩せこけた老人が座り込んでいて……的な作品。

狭い空間で繰り広げられるミステリー・スリラー。この防空壕はなぜ作られたのか?  そして白骨化した死体は誰なのか? そしてあの老人は一体……。最後には全てが繋がり、スカッとすること間違いなしです。

『フォロイング』(2017)

バンコクへ旅行に来た若いカップルのジムとジュリー。たまたまホテルで知り合ったイギリス人の男性2人と意気投合し、バンコクの夜を共に楽しんだ。そして彼らは「とある場所」へ行くことをジムとジュリーに薦めてくる。二人は言われるがまま車に乗せられ、着いた場所は森の中。そしてこの場所でジュリーは恐ろしい呪いをかけられてしまい……的な作品。

タイのバンコクを舞台にしたこのホラー映画は、独特のカルチャーと生活感が良い意味でホラー要素に花を添え、私たちが見慣れたアジアや北米のホラーとは一線を画す恐怖が待っています。ジムとジュリーが恐ろしい呪いをどう乗り越えていくのか、最後まで目が離せない良作ホラー映画です。

まとめ

いかかでしたか? 

ホラー映画において「怖い!」と感じるポイントのひとつが【日常とのギャップ】です。我が家が突然、ポルターガイストに見舞われたり、可愛い人形が動き出して襲ってきたりと、それがより身近なものであればあるほど、恐怖の度合いはグッと増していきます。老人ホラーの重要な恐怖要素はこの「日常とのギャップ」にあるかもしれませんね。

長寿大国である日本で、お年寄りにはこれから長生きして欲しいですが、決してこんな怖いことにはなって欲しくないですね。皆さまも是非、素敵な老人ホラー映画を探してみてください。

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