植物由来の代替素材で商機広がる、世界が注目する日本の技術力
高い耐熱性が用途広げる
海洋プラスチックを含むプラスチックごみによる環境汚染が世界的な問題となるなか、代替素材の開発、実用化が加速している。
生分解性プラスチックは、素材として使用する際には、従来のプラスチック製品に近い機能や性能を持つが、使用後は微生物などの働きで、水と二酸化炭素に分解される。これまでは土壌で分解するタイプの開発が先行していたが、近年は海で分解するタイプの開発も進む。
一方で、生分解性プラスチックは、環境への影響が少ない反面、熱に弱く、耐熱性が求められる用途に使いづらいのが難点だったが、三菱ケミカルが開発した「Bio PBS」は、高い耐熱性を発揮するため、食器などへの応用が可能で用途の広がりが期待できる。
他の生分解性プラスチックは放置しただけでは分解は起きず、熱を加える必要があるが、同社製品は、枯れ葉や生ごみを発酵させたコンポスト(堆肥)に入れるだけでも常温で分解が進むのも特徴だ。
三菱ケミカルは海でも分解する「海洋生分解性グレード」の認証取得の準備を進めている。堆肥や土中とは条件が異なる海中でも自然分解できれば、海洋プラスチックごみとして漂い続けることを防げる。
海でも自然分解
カネカは、海水中でも分解される性質がある生分解性ポリマー「カネカ生分解性ポリマーPHBH」をすでに開発済みだ。微生物が植物油を摂取して体内にためたポリマーで、“微生物が作った生分解性プラスチック”と言える。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)とは各種製品の開発を進め、入れたてのコーヒーを提供する「セブンカフェ」用のストローが高知県内のセブン-イレブン41店舗(2019年7月末時点)で8月6日より試験的に導入された。資生堂とは化粧品容器の共同開発に取り組んでいる。G20軽井沢会合で各国政府やメディアの関係者が装着したネームカードケースにもこの素材が採用された。
