ソフトバンクとトヨタの看板を背負うMONET社長に直撃、「僕の信念を話そう」
2018年3月の発足当時、88社だったモネ・コンソーシアムへの参加者は、現在では250社以上を数えます。各社がMaaSとして実現したいことをヒアリングした上で、実証環境を整えている段階です。
17の自治体とも連携しており、年内にはすべての自治体で実証実験がスタートする予定です。例えば長野県伊那市では移動診察車の実証を始めますが、現状の法制度の枠組みの下で実現できる実証にはどんどん取り組んでいく方針です。
だからこそ、今後の国の政策にはせめて民間企業並みのスピード感を求めます。「できます」と言ってから実現に半年もかかるとしたら、これは民間の感覚、とりわけソフトバンクのビジネス感覚からするとできないことと等しいのです。
今回、日本は世界に類をみないMaaSプラットフォームを作り出そうとしている。その事業構造がつまびらかになっている以上、海外勢との競合は必至です。
だから少しでも早く事業を軌道に乗せ、先行しなければならないのです。米アップルやグーグルに席巻されたインターネットの世界と同じ轍(てつ)を踏みたくない僕の強い信念でもあります。
実証通じ見えてきた課題
各地でさまざまな実証を重ねる過程で、みえてきた課題もあります。例えばオンデマンドバスの柔軟な運用・料金体制の設定です。オンデマンドバスは、輸送効率性に優れる路線バスと、快適性を持つタクシーの中間に位置づけられますが、現行の法制度ではその良さが生かせない。
移動型店舗をめぐる問題もあります。「不動産」が「可動産」に変化する視点で捉えるとイメージしやすいのですが、所在地をベースに営業許可を取得する枠組みがなじまない。
あるいは車両のマルチタスク化など現行制度が想定していなかったモビリティー形態にどう対応するのか。これら現場が直面するさまざまな課題を国にフィードバックし、まずは認識を共有することが打開策につながると考えます。だからこそ、官民で情報共有を進め、横断的な課題の整理を進める「スマートモビリティチャレンジ」の取り組みには期待しています。
MaaSを新しいテクノロジーを活用した壮大な社会実験に終わらせてはなりません。最も重要だと考えているのは、将来も収益がきちんと上がる持続可能な事業モデルを構築することです。
個人的にはモネの取り組みの中で、提供されるモビリティー規模とユーザーの満足度との因果関係や、許容されるコスト負担額といったきめ細かなデータも蓄積、そして分析していきたいと考えています。採算が合わないならどうするか。そこはビジネスマンである僕らの知恵の出しどころです。(談)
