★5年以内に30〜50%が再発

 だが、Cさんも予防策として、担当医から次のような注意を与えられた。
(1)水分は1日1㍑を目安に飲む。
(2)肉類など脂っこい物は余計に食べない。
(3)採血検査などで尿酸値が高い場合は、不規則な食事はやめる。
(4)食べてすぐ寝るような習慣はやめる。
 では、尿路結石についての「正しい知識」とは、どんなものがあるのだろうか。

 都内で総合医療クリニックを営む久富茂樹院長はこう語る。

 「尿路結石という病気は、動物性タンパク質や脂肪の摂りすぎで、発症するリスクが高くなります。肉を食べるなら、野菜も一緒にバランスよく摂ることが、尿路結石を避ける大切なポイントです。さらに尿酸値を上げ、結石を作りやすくするプリン体は、肉類の中では鶏肉に多い。特にレバーは要注意です。また、焼き鳥屋にいるサラリーマンの方を見ると、プリン体が多いビールを飲んでいる人が多い。動物性タンパク質や脂肪を摂りすぎる生活は、プリン体の過剰摂取の観点からするとNGです。内臓類も同じです」

 逆に、尿路結石ができにくい食事も当然ある。野菜、穀物、海藻類に多いと言われる。水分補給は当然だが、麦茶、ほうじ茶、ウーロン茶などもよいとされる。また食事も3度の食事をしっかり摂ること。タンパク質、脂肪、カルシウム、ミネラル、ビタミンなどもよく摂取する必要があるという。

 「食後4時間は、尿中に結晶成分が出続けます。寝ている間は水分を摂らず、体をあまり動かしません。もちろん排尿も抑えられます。一方で、寝汗をかいて体内の水分は減る。すると、結晶が結石に変わりやすくなるのです」(久富院長)

 いずれにしても、尿路結石は、5年以内に30〜50%の確率で再発すると言われるが、食事の摂取成分を考え合わせるだけの予防では、現実的には難しい。

 「日本で全国規模の調査が行われたことがあり、日本人の男性11人に1人、女性26人に1人が一生に一度は尿路結石に悩まされると言います。発症しやすい年齢は30代で、大まかに言えば、青年期から壮年期にかけての人が多いといわれます。尿路結石で痛みがある人は、やがて動脈硬化など生活習慣病にも罹っています」(専門家)

 尿路結石は発症すると激痛を伴う。早急に対処を!