国民民主党の玉木雄一郎代表は、「リーマン・ショック級」の事態が起きた際の消費減税の可能性に言及している

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「リーマン・ショック級」の事態が起きた際には消費減税を視野に入れる――国民民主党玉木雄一郎代表が打ち出した方針について、立憲民主党会派の岡田克也衆院議員が2019年6月13日、記者団に対して「本気で言っているとは思えない」と一蹴した。

玉木氏は、「(景気が)悪いときは(税率を)下げて、いいときは上げればいい」と話すが、岡田氏は「そんな簡単に上げ下げできるような代物ではない」と、実現性を疑問視している。

「ポピュリズムではなく経済政策として申し上げている」

玉木氏は6月5日の記者会見で、景気後退時の対応について

「本当にリーマン・ショックのような大打撃を受ける時には、とにかく消費を下支えるということであれば、それはひとつの政策手段として、消費税の減税ということも選択肢から否定するものではないと思う」

などと消費減税の可能性に言及し、景気対策のあり方について

「法人税減税はよくやるし、これはみんなすぐ賛成したりするが、消費税減税は、なんか『絶対やっちゃいかん』ということになっている。(景気が)悪いときは(税率を)下げて、いいときは上げればいい」

と話していた。

この発言をめぐっては、12年に首相として消費税率10%への引き上げを決めた衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」代表の野田佳彦衆院議員が19年6月6日の記者会見で、財源の裏付けがないとすれば「ポピュリズムの極致」だとして批判。玉木氏は6月12日の会見で

「所得税の減税も法人税の減税も、危機的な状況になれば、むしろ縮んでしまった需要を国が肩代わりする、あるいはそれを喚起するような政策は、財政政策の重要な役割。選択肢としては排除しない。これはポピュリズムではなく経済政策として申し上げている」

などと反論していた。

「そんな簡単に上げ下げできるような代物ではないと思いますよ」

岡田氏が特に違和感を持ったとみられるのが「悪いときは下げて、いいときは上げる」とという部分で、

消費税を上げることが、どれだけの政治的なコストを求められるかというのは、玉木さん、どう考えてるんですかね。そんな簡単に上げ下げできるような代物ではないと思いますよ」

などと指摘。経済政策としては現実味がないと映ったようだ。

「経済対策としていろんなことは考えなければならないかもしれないが、本当にリーマン・ショック級のものが来れば、消費税を下げてそれを経済対策にするというのは、僕にはちょっと、本気で言っているとは思えないですけどね」

岡田氏は財政再建論者として知られ、4月19日には消費減税や廃止を掲げる候補者について「論外でしょうね。税制のことをどう考えているのか」と述べている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)