「日産 VS ルノー」緊張高まるも、事業は粛々と前進
上海の拠点は自動運転や電気自動車(EV)、コネクテッドカー(つながる車)の開発を担っている。シリコンバレーの拠点は最先端のIT技術やデザイン面で研究を進める。いずれの拠点でも将来的にはアライアンスの技術革新を促進させるのが狙いだ。
三菱自を含めた3社連合のガスパール・ガスコン研究・開発担当次席アライアンス執行副社長は、イスラエル新拠点の開所式で記者団に対し、「共同開発拠点の開設は我々の協力の大変素晴らしい例だ。新技術の開発で非常に緊密に連携している」と話し、アライアンスの連携が進捗していることを強調したという。
3社連合はベンチャーキャピタル「アライアンスベンチャーズ」を通じて投資も行っている。18年の設立以降、有望な技術を持つベンチャーなどに8件、自動車関連のファンドに2件の投資を行った。
23年までの5年間で10億ドル(約1000億円)の投資を予定している。アライアンスとして技術の研究調査から企業へ出資するシームレスな体制を構築することでCASEや乗り物のサービス化「MaaS」など自動車業界の新潮流に対応する。
ルノーと日産はこれまで生産や購買などで機能統合を進めていたが、最近は先端技術分野で協業を広げている。アライアンスやガバナンスの在り方を巡って両社の対立が表面化しているが、車業界の技術進展はスピードを増しており「協業の必要性は一段と強まっている」と日産幹部も指摘する。
主導権争いに没頭せず、アライアンスを奏功させるためには実利を優先する姿勢が両社に求められている。
(文=渡辺光太)
