ブランド続々投入、アサヒが中国ビール市場を狙う理由
2010年頃からは状況が変わった。国自体が豊かになり、日系のコンビニエンスストアが広がった。プレミアムビールの需要は近年大きな伸びが続いている。市場全体の14%ほどだが、今後も成長が期待できる。
18年のアサヒブランドの販売数量は前年比10%増の195万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と2ケタの伸びを確保した。そんなプレミアムビールの好調さの中でさらにドライブをかける狙いもあり、欧州ブランドのペローニとピルスナー・ウルケルを中国市場で投入。18年夏には上海市でそれぞれのブランドを発表するキックオフイベントを開催した。
「中国市場で欧州ブランドを加えて商品ラインアップが拡大したことは販売戦略上で大きな意味を持つ」と岡村プロジェクトマネジャーは強調する。販売ではスーパードライの既存の販売ルートも活用するが、さらに新規開拓の余地が生まれる。
それぞれのブランドのターゲットとする層が微妙に異なるためだ。ペローニは高級なイタリアンレストランや洗練されたバー、高級スーパーを対象に食・ファッションにこだわりがある層を狙う。またウルケルは伝統的なビアパブやホテルのバーなどを対象に、本当にビールを好きな人がターゲットだ。
「日本のビールを扱わなかった高級イタリアン料理店に、イタリアのペローニと一緒にスーパードライを売り込むことが可能になった」と岡村プロジェクトマネジャーは戦略の一端を語る。また、ウルケルはピルスナービールの元祖であり、また別のポジションの確立が可能になる。
中国ではスーパードライ、ペローニ、ウルケルを戦略ブランドと位置付けて拡販する。欧州ブランドは北京、上海など沿岸部の大都市で拡販していく。現在、販売地域は沿岸部の都市から内陸の武漢や成都にも拡大している。先行きは内陸部での販売強化も進めていく。
