海洋ゴミ対策に、日本の知見を
科学的な調査・研究を
まず今回のS20では陸域で発生するプラスチックゴミに比べて海洋プラスチックゴミが環境に与える影響に関する科学的知見が乏しいことがあらためて確認された。海洋における将来のマイクロプラスチック浮遊量を世界で初めて予測した九州大学の磯辺篤彦教授も、今後の課題として実海域でのマイクロプラスチック調査の強化を挙げる。地球規模で海洋科学をさらに進展させるためには現状の調査能力では不足しているのだ。今後は研究船や、正確なデータを経済的に取得できる技術、そして世界中の科学者がアクセスできる管理システムなどの研究基盤の整備が必要であるとの提言が示された。
一方、資源循環の専門家からは海洋プラスチックゴミの発生源は陸域にあるため、まずは陸域で循環型社会を構築しない限り、根本的な問題解決には至らないとの見解が示された。陸上から海洋に流出したプラスチックゴミの排出上位国は中国、インドネシアといったアジア諸国である。特にこれらの地域での循環型社会の形成が海洋プラスチックゴミ問題解決のカギを握っているという指摘があった。このような議論を踏まえてS20では海洋環境の当面の保全対策の実施とは別に、科学的に現在の状況を把握し、将来動向を予測し、あるべき未来像を明らかにすることで最も効果的な政策が提言できるようになるとの意見がまとまった。
