統計で振り返る「平成」、時代とともに移り変わる日本経済の主役
フリーターという言葉が平成に入って定着したのは、こうした雇用状況の変化も背景にあるのだろう。正社員比率も、平成元年には実に80%に届こうとしていたが、平成30年には62%まで減少した。近年では雇用関係によらない働き方として、フリーランスといった言葉も注目されるようになってきている。
また、正社員数は横ばい、と述べたが、年齢構成では大きく異なる。平成元年と比べ平成30年は若年層で割合が減少し、中高年層で増加した。
増える訪日・在住外国人数
ここまでは日本国内の変化について見てきたが、ここで視点を転じて、日本と海外との関係の変化について、ヒト、モノ、カネの順に見てみる。
まず、ヒトの動きでは、訪日外国人数は、平成元年は300万人にも満たなかったのが、30年を経て10倍を超える3119万人まで増加している。訪日外国人の増加は、宿泊業や飲食業、小売業など観光関連産業で需要を生む一方で、観光地や交通機関の混雑など、課題も生じることとなった。
在留外国人在住数も、平成元年末の98万人から、平成30年末には273万人となり(法務省在留外国人統計(旧登録外国人統計))、平成の間に、日本でも外国人の姿は様々な場所で身近に見られるようになってきた。
貿易黒字の解消と相手国の変化
続いて、モノの動きです。貿易統計で輸出入の状況を確認する。輸出・輸入ともに、平成元年からの30年間で2倍以上となったが、順調に増加する中で起きたリーマンショックにより、ともに落ち込んだ。
その後、輸出・輸入とも回復傾向にはあるものの、東日本大震災の影響もあり、輸出に比べ輸入の方が急速に増加し、平成23年(2011年)には、第二次石油危機以来の貿易赤字に転じた。
ここで、輸出入を国別の上位5か国でみてみる。やはり、輸出・輸入ともに、中国の増加がこの平成の30年間での大きな変化と言ってよいだろう。一方、アメリカも、順位こそ1位ではなくなったものの、貿易額では30年前と同等以上となっており、貿易相手国として重要であることには変わりない。
貿易から投資へ
最後に、カネの動きである。日本と海外との国際収支をみると、平成初期に主な稼ぎ頭であった貿易収支は、特に東日本大震災のあった平成23年(2011年)を境に大きく減少し、その後黒字に戻したもの小幅となっている。
それに対して存在感を増しているのが、海外への直接投資や証券投資からの収益である第一次所得収支である。海外との収支関係で言えば、この平成の間に、我が国は貿易立国から投資立国へと変化してきた時期と言えるだろう。先ほど述べた製造業が、生産の場を国内から海外に広げてきた効果もありそうだ。
また、訪日外国人の宿泊や飲食等が含まれるサービス収支は、平成初期に比べてマイナス幅を縮小している。今後も訪日外国人が増加すれば、サービス収支がプラスになる可能性もあるだろう。
