新たなビジネスも誕生

 プレイリストを起点に、新たな音楽サービスも登場した。CotoLab.(コトラボ、東京都港区)は、17年4月にプレイリストの公開・共有に特化したプラットフォーム「DIGLE(ディグル)」を開設した。利用者はスポティファイで作ったプレイリストを投稿したり、他人が投稿したプレイリストにコメントしたりできる。20代を中心に1000人ほどが利用。「若い頃に友人とMDを貸し借りしたように交流できる」(西村謙大CEO)点が魅力になっている。

 サービスの利用料は無料。プレイリストから得られるデータを活用し、広告戦略やアーティスト・レーベル向けのサービスを開発して収益化する。音楽関係者向けのサービスは、人気のプレイリスト作成者とレーベルをマッチングするコンサル事業などを想定する。

 メディア事業や広告の制作、アーティストのマネジメントなどを手がけるlute(ルーテ、東京都渋谷区)は、2018年2月にプレイリストを活用した国内初のサブミッションメディア「lute music(ルーテ ミュージック)」を開設した。アーティストから提供された楽曲を組み合わせてプレイリストを作成し、定額制音楽配信サービスなどに展開する。

 ルーテミュージックは、ルーテを利用するアーティストの楽曲プロモーションに役立てるために開設した。五十嵐弘彦CEOは、「アーティストが稼ぐための選択肢を増やすために、メディアとしてできる新しい音楽ビジネスに取り組んだ」と説明する。

他社との差別化が課題
 ICT総研(東京都千代田区)の調査によると、定額制の音楽配信サービスの利用者数は2017年末時点で約1780万人(推計)。2020年末には、2270万人まで増加を見込む。一方、音楽配信サービスは乱立しており、他社との差別化が顧客獲得のカギを握る。

 その中で、LINE MUSIC(ラインミュージック、東京都新宿区)は、「LINE(ライン)」との連携した機能を強化している。LINE MUSICの利用者は、好きな配信楽曲をLINEのプロフィール画面のBGMに設定できる。友人などが利用者のプロフィール画面を開くと、設定した楽曲を聴くことができる。

 このBGM機能が若年層の心をつかんでいる。同社の高橋明彦最高執行責任者(COO)は、「BGM機能の利用者は月間730万人。かつて携帯電話の着信音や呼び出し音を定期的に変えていたように、好きな楽曲を“身につける”需要が若者の間にある」と分析する。友人のプロフィールがきっかけでLINE MUSICを利用し始める人も多いという。

 今後、LINE MUSICでは4月に新機能を追加する。トーク画面にBGM設定機能を設けて、LINEとの接点をさらに増やす。高橋COOは、「口コミや友人のおすすめには力がある。そこから定額制サービスの利用につなげるため、より音楽を聴きたくなる仕掛けを作っていきたい」と意気込む。