金属にCNTを高密度定着、表面処理の進化は何をもたらすか
埼玉県産業振興公社や東京農工大学、久保井塗装工業所(埼玉県狭山市)などとの産官学連携でコンソーシアムを組織し、共同開発した。現在、船舶や航空機、エネルギー、防衛産業など複数の業界でサンプル品を評価試験中。早期の実用化を目指す。CNTを含む皮膜の厚さは20マイクロメートル。コストを抑えるため、金属箔に皮膜し、シート状で提供することなども計画している。
このほどCBC皮膜の微細な結晶の隙間に、直径10ナノ―15ナノメートルの多層CNTが入り込む性質を発見。「相性の良いCNTを探し、トライアンドエラーを繰り返しながら、CNTが高密度層を自然に形成する」(同)手法を確立した。CNTを含む皮膜の上に塗装やフッ素樹脂加工など2次皮膜を重ねてもCNTの特性は変わらない上、「絶対にはがれないCBCの特性も維持される」(同)という。
金属表面に導電性を持たせることで、海洋を航行する船舶や排水溝に貝殻などの海洋生物を付きにくくできる。「導電率の抵抗を制御することでヒーターにもなり、寒冷地の信号機に使えば融雪対策になる」(同)という。
熱放散性を高めることで自動車のマフラーやブレーキキャリパーなど高熱にさらされる部分にもカラー塗装できるほか、航空機の熱交換器や真空ポンプの回転ブレードの耐熱性向上など、広範な用途に展開できると見ている。
