日本代表が勝つか負けるかは時の運だ。こう言ってはなんだが、ロシアW杯のベスト16は、最大限に運が作用した結果だった。運も実力のうちと突っ込まれるかもしれないが、ならば、選手のレベルを見ろと切り返したくなる。チャンピオンズリーガーわずか3人。その合計出場時間も471分に過ぎない。よくこれでW杯ベスト16に進めたものだと逆に感心したくなる。

 海外組の数は確かに増えた。数そのものは右肩上がりを示している。だがトップのレベルは伸びていない。5年後、その数が7、8人に増えているとも思えない。レベル7を超えるチャンピオンズリーガーが、特にアタッカーに複数人出てこないと、日本代表がW杯において運頼みから脱却することは難しいと思う。

 現在、欧州戦線に残っているのはヨーロッパリーグに出場中の長谷部誠(フランクフルト)のみ。代表チームからの引退をすでに表明した35歳が、唯一の日本人選手として孤軍奮闘する姿は皮肉だ。笑えない話になる。

 個人がもう少し欧州の舞台で頑張らないと、代表チームの右肩上がりは望み薄。代表戦という団体戦も重要だが、いまは所属クラブをベースにした個人戦の方がより重要な時期を迎えている。近い将来、ソン・フンミン級は出現するのか。森保ジャパンの勝ち負けより、こちらの方に関心は向くのだ。