電機産業の生きる道、中韓勢と一線画すソニーとパナソニックの答え
「ソニーは『クリエイティブ・エンタテインメント・カンパニー』だ。我々の技術と製品で、クリエーターに貢献する」―。ソニーの吉田憲一郎社長は、CESで高らかにこう宣言した。会場で開かれた会見では、ソニーの映画や音楽、アニメ部門のトップが次々と登壇。ソニーの技術や製品がコンテンツ制作にいかに寄与しているかを語った。
さらに著名アーティストのファレル・ウィリアムス氏まで登場し、ソニーの技術を体験した様子を紹介。ウィリアムス氏は「ソニーの技術がユーザーとクリエーターとをつなぐ」と賛辞を贈った。製品に言及したのは、ソニー・ピクチャーズアニメーションのクリスティン・ベルソン社長が紹介した8Kテレビくらいだ。
前回のCESでは平井一夫会長が車載用画像センサーや有機ELテレビといった新製品を次々とアピールしたが、全く異なる風景となった。ブースの作りも一変。映像や音楽、ゲームなどテーマ別に構成し直し、製品の数を厳選した。高木一郎専務は、「エレクトロニクスとエンタメの融合に、どう取り組んでいるかを提案した」と意図を説明する。
現在、サービス部分を担うIT基盤は「プラットフォーマー」と呼ばれる大手IT企業が押さえており、製品単体での差別化は難しい。ソニーの強みでもあるコンテンツと技術・製品の融合を足がかりにすれば、競争力の向上につながる。
さらにソニーは継続的に稼ぐ「リカーリング型」のビジネスモデルを全社的に導入しようとする。音楽や映画、ゲームといったコンテンツはその中核。各事業の製品や技術に横串を通す役割も担う。
高木専務は「エレクトロニクスのみならず、エンタメやサービス提供といったソニーのあらゆる事業でテクノロジーの重要性が増しており、それが強みだ」と自信を見せる。
パナソニック、つながる社会で総合力発揮
パナソニックも、車載向けを中核にした前回のCESとは異なり、各事業をまんべんなく配置。総花的に映った一方、そのポートフォリオの広さも印象づけた。宮部義幸専務は「パナソニックは単一事業の企業ではない」と説明した上で、自社の強みを「今後デジタル化でつながる社会では、さまざまなカテゴリーの製品を持つ方がメリット」と話す。
