ボランチとして先発した冨安。柴崎とコンビを組み、主に守備的な仕事をこなした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 アジアカップでトルクメニスタンとの初戦を苦しみながら3-2と逆転勝ちした日本代表にとって、最も心配されたポジションはボランチだった。

 大会4日前には守田英正が右太腿裏の怪我で離脱し、さらに体調不良の遠藤航が予定通りにチームに合流できず。1月5日の時点でプレーが可能だったのは柴崎岳と青山敏弘のふたりのみで、同日に非公開で行なったUAEの地元クラブ、アル・ワフダとの練習試合ではこれまでCBで起用してきた冨安健洋をボランチでテストしたという。
 
 そして森保一監督がトルクメニスタン戦で中盤の底を任せたのは、柴崎と冨安の“新コンビ”だった。
 
 柴崎は冨安との連係を次のように語る。
 
「彼(冨安)は代表でボランチでプレーするのは初めてです。ましてやフレンドリーマッチではないので、難しい部分もあったはずですけど、よくやってくれたと思いますし、タイプ的にははっきりしていたのかなと。彼が守備的で、僕がなるべく攻撃に絡んでいくという部分は分けられましたし、特にやりづらさは感じなかったです。彼は彼なりに一生懸命やっていたので、もっと良くなるんじゃないかと思います」
 
 一方の冨安は反省を口にした。

「もっとボールを奪う回数を増やさないといけなかったですし、ディフェンスラインの前でカウンターの芽を摘むのが僕の仕事でしたが、カウンターでやられてしまいました。攻撃面では縦パスであったり、状況を変えるパスをもっと出さないといけなかったですし、まだまだという感じでした」

 ただし「岳くんのほうが縦パスや状況を変えるパスなど特長を持っていますし、そういったところは任せながらやることも必要だと思います。ただその分、もっと守備のところで助けることができたんじゃないかと感じますし、やっていてやりやすかったです。僕がもうちょっとディフェンスラインの前でバランスを取ることができればさらに良くなるはずです」と前向きに語った。
 
 主に攻撃面を柴崎、守備面を冨安と役割分担をしたコンビは、補完性には優れていたと言えるだろう。青山敏弘が控え、遠藤航も状態を上げているだけに、柴崎&冨安のコンビが次にいつピッチに立つかは分からないが、貴重なオプションとはなりそうだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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