”飛べないMRJ”、この1年「前進したのか、後退したのか」
米ボーイングなど航空機大手は、仏パリとファンボローの2大国際航空ショーで新型機を飛行展示し、航空会社に営業をかける。
だが、会期中に新規受注はなく、16年7月から現在まで受注から遠ざかる。17年に量産初号機の納入時期を2年遅れの20年半ばに延期したことが、影響している恐れがある。
ただ、延期決定後の開発は進展した。延期の原因となった電子機器と電気配線の配置を見直す設計変更にはめどがつきつつある。19年前半には、設計変更を反映した試験機2機を追加投入し、TC取得を目指す。
半面、開発費用はかさんだ。三菱航空機の債務超過額は17年3月末時点で約510億円だったのが、18年3月末には約1100億円に膨らんだ。三菱重工は2200億円の資本増強を10月に決め、宮永俊一社長は「残る資金を量産体制の構築まで用いる」と決意を述べた。7日には資本増強完了を発表した。
19年は開発が佳境を迎える。TC取得に向け、航空当局の審査にあたるTCフライトに入る。営業面では、競合のブラジル・エンブラエルがボーイングの傘下に入ることが18年7月に決まり、受注競争が今後不利になる懸念はある。開発の進展が営業面にプラスに働く効果に期待したい。
(文=名古屋・戸村智幸)
