世界から集った“ロボット人材”、進化の予感抱き2020年大会へ
展示ブースには91社・団体の特色あるロボットが並んだ。生産現場の人手不足を背景に、安全柵不要で人と一緒に働ける協働ロボットや、操作体験を通じて製品を身近に感じてもらう展示に注目が集まった。
三菱電機は、受注状況に応じて生産を最適化するIoT(モノのインターネット)システムを提案。「好みの多様化により、多品種生産を自動化する仕組みが求められている」と荒井高志ロボット製造部ロボットテクニカルセンター長は説明する。需要が高まっているAGV(無人搬送車)に搭載したロボットも展示した。
ロボットとのふれあいを重視した展示も目立った。トヨタ自動車はロボットとスポーツの融合がテーマ。家庭用の生活支援ロボット「HSR」は、手足の不自由な人の代わりに物を拾ったり、棚に入った物を取ってきてくれたりする。来場者はHSRを操縦し、パラリンピック種目の「ボッチャ」体験を楽しめる。
人と機械の融和を掲げるオムロンは、卓球ロボットと自動搬送ロボットを展示。卓球は相手の動きや球筋から技術レベルを予測し、それに応じた球を返せる。自動搬送は、障害物を回避しながら決められた場所に荷物を届ける様子を実演。越智直哉ロボット推進プロジェクト経営基幹職は「ロボットの働きを見てもらい、お客さまの(働き方に対する)意識を変えるきっかけになれば」と話した。
競技大会で見えてきた「未来」への課題
23カ国・126チームによる5日間の激闘が繰り広げられた競技会。いくつかのチームは難解な競技課題をクリアするため、高度な技術や斬新(ざんしん)なアイデアを披露。ものづくり、サービス、インフラ・災害など各分野でロボットのさらなる進化を予感させる大会となった。
【ものづくり】「培った現場力」結実
ものづくり部門は精密組立がテーマ。小さなネジやワッシャー、ベアリングなどを組み立て、ベルト駆動ユニットを作製する。優勝した南デンマーク大学の「SDUロボティクス」は3Dプリンター製の治具と力覚制御を利用し、作業の精度と生産の柔軟性を両立させた。3Dプリンターを会場に持ち込み、その場で治具を製作。急きょ渡される部品にも対応できる。ただ3Dプリンターは寸法精度に限界がある。これを力覚制御で補い、基本課題を達成して高得点をたたき出した。
