これでスーファミでもポケモンが交換できる…「スーパーゲームボーイ2」を手に入れた:レトロゲーム浪漫街道
任天堂の「携帯機と据え置き機をつなぐものシリーズ」には傑作が多い。その歴史の中でも、「スーパーゲームボーイ」は重要な1ページになっていたように思います。しかし「スーパーゲームボーイ」に"2"があったことを知っている、覚えている人ってどれぐらいいるのでしょうか。

初代スーパーゲームボーイは、ゲームボーイソフトをスーパーファミコンで遊べるようにするカートリッジとして1994年(平成6年)6月14日に登場しました。テレビ画面でゲームボーイがプレイできるうえ、モノクロの濃淡だけで色を表現していたゲームボーイソフトに好きなカラーパターンをつけて遊べる機能もついています。また、スーパーゲームボーイ対応のソフトなら、あらかじめカラー化した画面で楽しめるというのも画期的でした。当時の価格は税別7000円。

▲スーパーゲームボーイ

初期のゲームボーイ(実機)はバックライトもないため画面は暗く、またバッテリー充電式ではなかったため乾電池の残量を常に気にしながらプレイしたものです。手軽に持ち運べるゲームボーイと、家のテレビでじっくり遊べるスーパーゲームボーイ、この2択が選べるようになったことに喜んだ人は多かったはず。Nintendo Switchの遊びかたの先駆けといってもいいでしょう。

スーパーゲームボーイ2の特徴とか裏ワザとか


そしてスーパーゲームボーイ2。こちらは4年後の1998年(平成10年)1月30日に5800円(税別)で発売されたスーパーゲームボーイの後継モデルです。時代はスーファミからニンテンドウ64、あるいはプレステやサターンへと完全に世代が交代しきった頃に発売されているのがミソです。



▲スーパーゲームボーイ2(と中古で購入したのでボロボロの外箱)

"2"に生まれ変わったスーパーゲームボーイ、最大の特徴は通信対応コネクタがついたことで、ゲームボーイとの通信プレイができるように。その背景には、1996年〜97年にかけ大ブレイクした「ポケットモンスター」(赤・緑)の存在がありました。

1989年の発売からぼちぼちハードの寿命を迎えそうだったゲームボーイは「ポケモン」効果で息を吹き返し、関連商品も再びバンバン出るようになります。その流れのなか登場したスーパーゲームボーイ2が、「ポケモン」の大きな特徴である通信交換・通信対戦に対応するコネクタを備えていることは、必須条件と言ってもよかったでしょう。



▲右サイドに、スーパーゲームボーイ(下)にはなかった通信コネクタが

スケルトンがめちゃくちゃ流行っていたご時勢とあって、ボディカラーはグレーからクリアブルーに。通信コネクタ以外に、正面中央に赤と緑のLEDランプがついたことで「電源ON状態」「通信ケーブル通電状態」が示されるようになりました。

初代スーパーゲームボーイからスーパーゲームボーイ2への進化は、そのほかにもけっこう細かい部分にまで及んでいて、「ゲームの音程が高くならない」という特徴も。スーパーゲームボーイはゲームボーイの実機よりも動作速度がわずかに速いため、BGMや効果音の音程が少し上がってしまっていました。スーパーゲームボーイ2はこれを解消し、音声まわりも違和感なく遊べるようになっています。



▲スーパーゲームボーイ2のプレイ画面(テレビに映した画面)

スーパーゲームボーイでは、ゲームボーイの画面を引き延ばしたりアップコンバートしたりはしないため、テレビ画面の四隅にできる空きを埋めるフレームが表示されます。いろいろなデザインから選んで使えるこのピクチャーフレームも、スーパーゲームボーイ2になってリニューアル。ゲームプレイ中にL・L・L・L・Rボタンを連続して押すと、フレームに応じた演出が始まるという裏ワザチックな機能も付いてました。

裏ワザといえば、R・R・R・L・L・L・R・R・R・R・R・R・Rの連続押しでスタッフロールが始まるというのもあります。実はこれらコマンドはスーパーゲームボーイ/スーパーゲームボーイ2共通なので(表示される内容は異なりますが)、お持ちの方はぜひ試してみてください。

ゲームボーイカラーをつないでポケモンを通信交換してみる


実は今回、この記事のために中古で入手した憧れのスーパーゲームボーイ2。で、せっかく買ったなら一度はやっておくべきでしょう! ということで実践しました。「ポケモン」の通信プレイを。筆者は「ポケモン赤・緑」の直撃世代ですが、ポケモン収集用にゲームボーイの2台持ち(および「ポケモン赤・緑」2種買い)・自力での通信交換をするのは禁じ手だと思っていて、当時はやらなかったんですよ。



ゲームボーイカラーとスーパーゲームボーイ2、それぞれに「ポケモン」のソフトを入れて通信ケーブルで接続。ゲームボーイカラーはスーパーゲームボーイ2より後に発売された製品ですが、通信ケーブルには互換性があります。ちなみにこのケーブル、初期型ゲームボーイ向けの通信ケーブルは多く出回っていますが、スーパーゲームボーイ2とゲームボーイカラー(ゲームボーイポケット含む)に対応した小さいコネクタのケーブルはやや手に入れにくいようです。今から探す人は注意してください。

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▲スーパーゲームボーイ2のパッケージ裏にある説明

スーパーゲームボーイに緑のLEDランプが点灯していれば、あとはスーファミのコントローラーを操作して、ゲームボーイの通信プレイと同じ要領で遊べます。ゲームボーイを持った仲間がいないとできなかった、ポケモンの通信進化もこの通り。







「ゲームボーイを2台持つのはちょっと」「でも自力で通信進化させたい」という欲求に今も昔も応えてくれるさすがのハードです。1990年発売のスーパーファミコン、1996年発売のポケモン、1998年発売のゲームボーイカラーをひとつなぎにできるというのもなんだかロマンがある。最近は90年代ゲームのレトロ化がかなり進んで希少価値が上がり始めてるみたいですが、スーパーゲームボーイ2、買ってよかったです。